熱酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/28 23:02 UTC 版)
熱酸化(ねつさんか、Thermal_oxidation)は、微細加工において、ウェーハの表面に酸化物(通常は二酸化ケイ素)の薄膜層を形成する方法である。
熱酸化はさまざまな材料に適用されるが、シリコン基板(シリコンウェハーなど)またはシリコン下部構造の表面に非晶質二酸化ケイ素の薄層を生成し、表面特性を変化させるプロセスが最も一般的である。シリコンの熱酸化処理は、半導体技術、例えば半導体集積回路の製造に使用される。このプロセスは、1100℃を超える温度で拡散させた酸素とシリコンとの化学反応に基づいている。プロセス時間が非常に短いため、このプロセスは「急速熱酸化」(RTO)としても知られ、非常に薄い酸化シリコン層(< 2 nm)の製造に用いられる。
この技術では、酸化剤を高温でウェーハに拡散させ、反応させる。酸化物の成長速度は、Deal-Groveモデルで予測されることが多い[1]。
同様のプロセスとして、シリコン基板上に高温で窒化ケイ素層を生成して窒化物半導体を製造する方法がある。
化学反応
シリコンの熱酸化は室温でも起こるが、反応速度が技術的な応用に必要な速度をはるかに下回るため、通常は800~1200℃の温度で行われ、いわゆる高温酸化膜(High Temperature Oxide layer、HTO)が形成される。酸化剤には水蒸気(通常UHP蒸気)または分子状酸素を使用し、それぞれ湿式酸化または乾式酸化と呼ばれる。 反応は以下のいずれかである。
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