フロバフェン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/08 07:02 UTC 版)
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| 識別情報 | |
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| 性質 | |
| Variable | |
| モル質量 | Variable |
| 外観 | Red solid |
| Insoluble | |
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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フロバフェン (CAS No.:71663-19-9) は、赤みを帯びた、アルコール可溶性で水不溶性のフェノール性物質で、フラバンー4ーオールを重合させた物質である。[1][2] 植物から抽出することができ、タンニン抽出物を鉱酸で処理しても合成できる。[3] 名称は、ギリシャ語で樹皮を意味するφλoιὀς (phloios) と塗料を意味するβαφή (baphe) から来ている。[4]
フロバフェンの生物学的活性はまだ明らかになっていない。
自然界でのフロバフェン
自然界では、フロバフェンは樹皮、果実、とうもろこしの穂軸、もみ殻に存在する。また、落ち葉に含まれる茶色の色素としても知られている。[5]ただ、花では発見されていない[6]。
発生事例
キナの木の樹皮には、シンコタンニン酸が含まれており、それが酸化するとフロバフェンが作られ、シンコナレッドと呼ばれる。
トルメンティル(和名:タチキジムシロ)の根から、トルメンティルレッドとして抽出できる。[7]
コーラナッツからコーラレッドとして取り出すことができる。[8]
プテロカルプス・マルスピウムから抽出される液体、キノに70~80%含まれるキノタンニン酸が酸化酵素などによって酸化すると、フロバフェンが作られる。これにより、キノはゲル化する。[9]
フロバフェンは、小麦[10]、 トウモロコシ[11]、 モロコシ[12]の一部の品種が赤くなる現象の原因だとされ、それについて研究されている。
生合成
アミノ酸の1種である、L-フェニルアラニンから始まるフラボノイド生合成経路において、ナリンゲニンからフラバノン4-還元酵素によって分岐し、フラバン-4-オールが生成される。これが酸化・重合することでフロバフェンが作られる。[13][14]
トウモロコシでは、p1(pericarp color1)遺伝子がフロバフェン生合成を制御している。フロバフェン合成に必要なカルコン合成酵素、カルコン異性化酵素、ジヒドロフラボノール還元酵素をコードするc2、chi1、およびa1遺伝子の転写を制御している。[15]
ソルガムでは、y1(yellow seed1)遺伝子がフロバフェン生合成に関与している。[15]
出典
- ^ 幡克見 十河村男 (1956-11-10). “樹皮の化単的研究(第1報)アカマツの樹皮の化学的組成並びに2,3の化学的性質”. 日本林學會誌: 477.
- ^ Elisa, Domínguez-Hernández; Marcela, Gaytán-Martínez; Janet Alejandra, Gutiérrez-Uribe; Martha Elena, Domínguez-Hernández (2022-01-01). “The nutraceutical value of maize (Zea mays L.) landraces and the determinants of its variability: A review”. Journal of Cereal Science 103: 103399. doi:10.1016/j.jcs.2021.103399. ISSN 0733-5210.
- ^ Foo, L. Yeap; Karchesy, Joseph J. (1989), “Chemical Nature of Phlobaphenes”, Chemistry and Significance of Condensed Tannins, pp. 109, doi:10.1007/978-1-4684-7511-1_6, ISBN 978-1-4684-7513-5
- ^ Etti, C. (1883). “Zur Geschichte der Eichenrindegerbsäuren”. Monatshefte für Chemie 4: 512–530. doi:10.1007/BF01517990.
- ^ “葉色(はいろ)|東邦大学医療センター大森病院 臨床検査部”. www.lab.toho-u.ac.jp. 2026年3月8日閲覧。
- ^ Paech, K (1955). “Colour Development in Flowers”. Annual Review of Plant Physiology 6: 273–298. doi:10.1146/annurev.pp.06.060155.001421.
- ^ Lund, K.; Rimpler, H. (1985). “Tormentillwurzel”. Deutsche Apotheke Zeitung 125 (3): 105–107.
- ^ (英語) Cola nitida and pain relief, Academic Press, (2022-01-01), pp. 375–384, doi:10.1016/B978-0-12-820237-1.00033-8 2026年3月8日閲覧。
- ^ “Kino, B.P. Kino. | Henriette's Herbal Homepage”. www.henriettes-herb.com. 2026年3月8日閲覧。
- ^ Himi, Eiko; Noda, Kazuhiko (2005). “Red grain colour gene (R) of wheat is a Myb-type transcription factor”. Euphytica 143 (3): 239. doi:10.1007/s10681-005-7854-4.
- ^ “Phlobaphene biosynthesis in maize”. 2017年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月4日閲覧。
- ^ Phlobaphene on trophort.com Archived 2012-03-01 at the Wayback Machine.
- ^ Liu, Weixin; Feng, Yi; Yu, Suhang; Fan, Zhengqi; Li, Xinlei; Li, Jiyuan; Yin, Hengfu (2021-11-26). “The Flavonoid Biosynthesis Network in Plants”. International Journal of Molecular Sciences 22 (23): 12824. doi:10.3390/ijms222312824. ISSN 1422-0067. PMC 8657439. PMID 34884627.
- ^ “野菜花き研究部門:フラボノイド | 農研機構”. www.naro.go.jp. 2026年3月8日閲覧。
- ^ a b Boddu, Jayanand; Svabek, Catherine; Ibraheem, Farag; Jones, A. Daniel; Chopra, Surinder (2005-09-01). “Characterization of a deletion allele of a sorghum Myb gene yellow seed1 showing loss of 3-deoxyflavonoids”. Plant Science 169 (3): 542–552. doi:10.1016/j.plantsci.2005.05.007. ISSN 0168-9452.
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