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フェラーリ・F2012とは? わかりやすく解説

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フェラーリ・F2012

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/03/05 19:43 UTC 版)

フェラーリ F2012
カテゴリー F1
コンストラクター フェラーリ
デザイナー パット・フライ
ニコラス・トンバジス
ルカ・マルモリーニ
先代 フェラーリ・150°イタリア
後継 フェラーリ・F138
主要諸元
シャシー カーボンファイバー/ハニカムコンポジット構造モノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン 独立懸架 プルロッド トーションスプリング
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン 独立懸架 プルロッド トーションスプリング
エンジン フェラーリ Tipo056 2,398 cc 90度 V8 NA ミッドシップ
トランスミッション フェラーリ 7速 セミAT
重量 640 kg
燃料 シェル V-Power
オイル シェル Helix Ultra
タイヤ ピレリ P-Zero
主要成績
チーム スクーデリア・フェラーリ
ドライバー フェルナンド・アロンソ
フェリペ・マッサ
出走時期 2012年
表彰台(3位以内)回数 15
通算獲得ポイント 400
初戦 2012年オーストラリアGP
初勝利 2012年マレーシアGP
最終戦 2012年ブラジルGP
出走
回数
優勝
回数
ポール
ポジション
ファステスト
ラップ
20 3 2 0
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フェラーリ F2012 (Ferrari F2012) は、スクーデリア・フェラーリ2012年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーである。

概要

名称には、2008年に使用したF2008以来となる西暦4桁のネーミングが用いられた。

開発については、チームを離れたアルド・コスタに代わり、パット・フライが技術部門を率いている。フライはマシンデザインについて、リスクを恐れずアグレッシブなアプローチをとったとしている[1]。また、ブリヂストン時代にフェラーリと係わりの深かった浜島裕英を招聘し、ピレリタイヤの分析を任せている。

新車公開は2012年2月3日に本拠地マラネッロで行われたが、ヨーロッパを襲った寒波の影響で予定されていた発表会を中止し、webでの映像配信のみとした[2]。また、フィオラノ・サーキットでの初走行も中止し、2月7日のヘレステストまで延期された[2]

構造

外観上では、2012年のトレンドといえるノーズコーンとモノコックの段差が目立つ。ノーズコーンは薄く短く、各部にエッジが立っている。チーム首脳は発表前から「見栄えは良くないが速ければいい[3]」と述べていたが、ドライバーのフェルナンド・アロンソは「この赤い色と、すべてのマシンに込められた情熱によって、マシンは美しく見える[4]」と答えた。

F2012のプルロッド式フロントサスペンション

F2012の大きな変更点は、フロントサスペンションをプルロッド式としたことである。ハイノーズが普及した1990年代以降、わずかな例外[5]を除いてフロントはプッシュロッド式が定番となっていたが、フェラーリは空力面のメリットがあるとして、ハイノーズへのプルロッド採用に踏み切った[1]。ロッドはノーズ下部からアップライト側へ、緩い上半角をつけて接続されている[6]が、ハイノーズのためプルロッドの角度が浅く、うまく機能しないのではないかと噂された、実際初期のフロントサスは固すぎるといわれたが前後のサスを油圧で関連づけるピッチコントロール[7]などサス全体の開発はシーズンを通して進みチームはこのデザインをモノにしていった。また、前年の150°イタリアまではプッシュロッド式だったリアサスペンションもプルロッド式に改めている、他チームの流行に乗った形だがサスのシステムをギヤボックスとは別のユニットにするなど、開発を視野に入れた独自の工夫がされていた。

サイドポンツーンの形状も特徴的で、中央よりもショルダー部分の方が高く、前方に突き出している。排気口の周りには溝入りのバルジを設け、コアンダ効果によりリアタイヤ内側方向へ排気を導こうとした。しかし、期待したほどの効果を得られず、開幕戦では排気口の位置を内側に移動した[8]

シャシーとギアボックスの間には補強用のアームが取り付けられた(アロンソがルノー時代の経験から助言したとされる[9])。ギアボックス上にはオイルクーラーがあり、インダクションポッドのサブインテークから冷却気を取り入れる[9]

エンジンにはエキゾーストにリゾネーター(共振装置)と呼ばれる管が取り付けられた、これが目論見通りに機能すれば排気の効率が上がりパワーアップにつながるという、また排気を利用したリアまわりの空力にも効果が期待された。フェラーリのほかルノーエンジンのレッドブルとフェラーリエンジンのザウバーが採用していたが、同じフェラーリエンジンでもフェラーリとザウバーでは構造が異なり、チームごとに研究がされた。

ホイールは1992年から使用してきたBBS製に替えてO・Z製を装着する[10]

2012年シーズン

プレシーズンテストの段階でパット・フライは「我々はパフォーマンスレベルに失望している。やるべき仕事は山積みだ」と語り[11]、新車の性能には悲観的な意見が大半だった[12][13]第2戦マレーシアGPではアロンソが望外の優勝を果たしたが、予選Q3進出にも苦労する状況であり、開幕5戦で2ポイントしか獲得できないマッサには交代説が飛び交った。

5月のムジェロテスト以降はアップデートが成功して戦闘力が向上。故障によるリタイア0回という高い信頼性もあり、アロンソは2勝を加えてポイントリーダーの座を堅持した。しかし、第12戦ベルギーGP第15戦日本GPでの接触リタイアによって優位を失い、レッドブルセバスチャン・ベッテルに逆転されることになった。マッサは終盤戦に復調し、アロンソを上回るペースを見せるなどして、チームのコンストラクターズ2位確保に貢献した。

F2012はレースペースは優れていたものの、予選の速さではレッドブルやマクラーレン相手に及ばなかった。その一因として、DRSの効果が不十分で、トップスピードが不足していることが指摘された[14](フェラーリはステアリングのボタンではなく、ブレーキペダルの左にあるペダルでDRSを作動させているという分析もある[15])。

終盤戦はディフューザーなどのアップデートを投入したが、コース上でうまく機能させることができなかった[16][17]。フェラーリは風洞実験のデータと実走データが一致しないという問題が続いており[18]、シーズン閉幕後に風洞を停止して問題解決に当たることを決めた[19]

スペック

シャーシ

F2012(上)と150°イタリア(下)の比較

エンジン

  • エンジン名:フェラーリ Tipo056[20][21]
  • 気筒数・角度:V型8気筒・90度
  • 排気量:2,398cc
  • 最高回転数:18,000rpm(レギュレーションで規定)
  • シリンダーブロック:アルミニウム
  • バルブ数:32
  • バルブ駆動:圧搾空気式
  • ピストンボア:98mm
  • 重量:95kg
  • 燃料シェル V-Power
  • 潤滑油:シェル Helix Ultra

記録

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 ポイント ランキング
AUS
MAL
CHN
BHR
ESP
MON
CAN
EUR
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
SIN
JPN
KOR
IND
ABU
USA
BRA
2012 5 アロンソ 5 1 9 7 2 3 5 1 2 1 5 Ret 3 3 Ret 3 2 2 3 2 400 2位
6 マッサ Ret 15 13 9 15 6 10 15 4 12 9 5 4 8 2 4 6 7 4 3

脚注

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  1. ^ a b “革新的フェラーリ、プルロッドフロントサスを採用”. オートスポーツweb. (2012年2月3日). http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=38887 2012年2月6日閲覧。 
  2. ^ a b “フェラーリ、F2012を発表”. ESPN F1. (2012年2月3日). http://ja.espnf1.com/ferrari/motorsport/story/69178.html 2012年2月6日閲覧。 
  3. ^ “新車は見栄えより速さ重視”. ESPN F1. (2012年1月12日). http://ja.espnf1.com/ferrari/motorsport/story/67749.html 2012年2月6日閲覧。 
  4. ^ “アロンソ「F2012の独創性が気に入っている」”. オートスポーツweb. (2012年2月6日). http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=38921 2012年2月6日閲覧。 
  5. ^ 2000年のアロウズ・A21や2001年のミナルディ・PS01がフロントプルロッド式を採用していたが、ノーズはF2012よりも低い位置にあった。
  6. ^ “開幕戦を占う---その7 シーズンオフ・テストから見えた!!”. STINGER. (2012年3月15日). http://www.f1-stinger.com/f1-news/news/2012/03/15/034331.html 2012年4月4日閲覧。 
  7. ^ これは完全にパッシブなシステムである。
  8. ^ “「プレッシャーはある」とドメニカリ”. ESPN F1. (2012年3月15日). http://ja.espnf1.com/ferrari/motorsport/story/72650.html 2012年4月4日閲覧。 
  9. ^ a b “Ferrari F2012 - gearbox-chassis stiffening arm”. Formula1.com. (2012年3月26日). http://www.formula1.com/news/technical/2012/865/948.html 2012年4月4日閲覧。 
  10. ^ “フェラーリ、OZとの契約を発表”. F1-Gate.com. (2012年2月2日). http://f1-gate.com/ferrari/f1_14165.html 2012年2月7日閲覧。 
  11. ^ フェラーリ「表彰台も無理」と失望を認める - オートスポーツweb(2012年3月5日)2012年12月14日閲覧。
  12. ^ フェラーリ苦戦との見解で一致 - ESPN F1(2012年3月2日)2012年12月14日閲覧。
  13. ^ 「フェラーリは立ち直る」とジェンソン・バトン - Topnews(2012年3月7日)2012年12月14日閲覧。
  14. ^ 予選でDRS改善に努めるフェラーリ - ESPN F1(2012年11月1日)2012年12月14日閲覧。
  15. ^ フェラーリ、DRSの起動は足で操作か - オートスポーツweb(2012年9月13日)2012年12月14日閲覧。
  16. ^ マッサ、フェラーリの開発作業難航を認める - オートスポーツweb(2012年10月23日)2012年12月14日閲覧。
  17. ^ "フェラーリ、最新排気システムは失敗作?". Topnews.(2012年11月21日)2012年12月19日閲覧。
  18. ^ 苦戦フェラーリ「問題解決の糸口を見つけた」 - オートスポーツweb(2012年10月24日)2012年12月14日閲覧。
  19. ^ フェラーリ、問題を抱える自社風洞を停止へ - オートスポーツweb(2012年10月2日)2012年12月14日閲覧。
  20. ^ a b “フェラーリ 「F2012」 スペック”. STINGER. (2012年2月3日). http://www.f1-stinger.com/f1-news/news/2012/02/03/017808.html 2012年2月6日閲覧。 
  21. ^ a b “フェラーリ F2012”. F1-Gate.com. (2012年2月3日). http://f1-gate.com/ferrari/f2012.html 2012年2月7日閲覧。 

外部リンク




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