【6月25日 AFP】フランス検察は24日、パリ郊外のディズニーランドを借り切り、エキストラ数百人を雇って、9歳女児との「結婚式」を挙げようとした英国人の男を、マネーロンダリング(資金洗浄)や個人情報窃盗の罪で起訴した。

男は9歳女児との架空の結婚式を挙げるため、21日の開園前にディズニーランドを13万ユーロ(約2200万円)で借り切ったとされる。

男は、英国で性的暴行などの前科が複数あり、別の未成年者性的道義侵害事件の捜査で証人に指名されている。

「花嫁」とされたのがウクライナ人の9歳女児であったため、スタッフが児童婚を疑い警察に通報した。

後に撮影のために企画された架空の結婚式だと判明したが、当局は直ちに捜査を開始した。

地元のジャンバティスト・ブラディエ検事はAFPに対し、この英国人の男は「プロによるメーキャップによって別人になり切って新郎役を演じた」と語った。

フランス当局は、英当局から、この男は「過去に未成年者に対する性犯罪などで有罪判決を受けている」と伝えられたという。

この男は現在、登録性犯罪者としての義務を怠ったとして英当局に指名手配されている。

当局は、花嫁の姉役を演じたラトビア人女性(24)を証人に指名した。

捜査の結果、この「結婚式」は実際には「個人的に撮影することを目的とした架空のもの」であったことが判明した。

英国人の男は「あるラトビア人の協力を得て、式の円滑な運営のため他のラトビア人を募集したほか、フランス人エキストラ約100人を投入。ディズニーランド・パリに対し、エキストラは「結婚式の招待客」だと偽って入園させたとされる。

式の2日前にフランス入りした女児は「身体的暴行も性的暴行も受けておらず」、花嫁役を「強制的に演じさせられることもなかった」とされる。

ブラディエ検事によると、ディズニーランド・パリは「主催者がラトビア人を装い、偽造書類を使ってパークの借り切り契約を締結した」したことで、だまされた。

匿名を条件に取材に応じた警察関係者によると、式は開園前の午前5~7時、ディズニーランド・パリで「総額13万ユーロ」で開催される予定だった。

だが、ディズニーランド・パリは日22日にAFPに送付した声明の中で、式は「重大な不正行為」の発覚を受け、「直ちに中止」されたと強調した。(c)AFP