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ソニー、アニメと音楽の相乗効果で勝ち組に-グローバル展開加速 - Bloomberg
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ソニー、アニメと音楽の相乗効果で勝ち組に-グローバル展開加速

  • 「鬼滅の刃」の最新作、ソニーの音楽・アニメ制作リソースが生きる
  • 現実世界のみならず、仮想空間でも新たなスターを生み出す
People visit the Toho Cinemas Hibiya theater in Tokyo on the opening day of the latest movie of the "Demon Slayer" manga series on July 18, 2025. (Photo by Kyodo News via Getty Images)
People visit the Toho Cinemas Hibiya theater in Tokyo on the opening day of the latest movie of the "Demon Slayer" manga series on July 18, 2025. (Photo by Kyodo News via Getty Images) Photographer: Kyodo News/Kyodo News Stills

ソニーグループにとって、アニメーションの重要性が急速に高まっている。

  アニメ映画「鬼滅の刃」の最新作は、公開から10日間で国内興行収入が129億円に達し、日本映画として最速で100億円を突破した。長年の準備を経て完成したこの作品は、アニメ制作会社ユーフォーテーブルとソニーの音楽・アニメ制作リソースが巧みに連携した成果と言える。

  ソニー・ピクチャーズアニメーションが手がけたネットフリックスのオリジナルアニメ「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」のサウンドトラックも好調だ。作品にインスピレーションを与えた実在のK-POPグループをしのぐ人気を見せている。

  同作品に出てくる架空のガールズバンド「Huntr/x」による楽曲「Golden」がビルボード・グローバル200で首位を獲得し、賞レース前に大きな話題を呼んでいる。このサウンドトラックを扱うユニバーサルミュージックグループ(UMG)にとっても快挙だ。

  しかし、最大の勝ち組は音楽事業を強化してきたソニーだ。同社の主力であるゲームやイメージセンサー事業が伸び悩む中で、音楽が堅実な収益源となっている。

  音楽と鮮烈なアニメーション、引き込まれるストーリーを組み合わせ、さらにソニーの強力な配信ネットワークを加えることで、同社は現実世界と仮想空間でも新たなスターを次々と生み出している。

  そこには、22歳の日本人アーティストAdoや人気デュオYOASOBI、Huntr/xのライバルとしてアニメに登場するバンド「Saja Boys」も含まれる。

  鬼滅の刃の第1作「無限列車編」の主題歌で注目を集めたのは、シンガーソングライターのLiSAだ。ファンにとってその音楽は、吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)による原作漫画の中でも重要かつ心を打つ瞬間を象徴している。

  最新作には、LiSAの「残酷な夜に輝け」とAimerの「太陽が昇らない世界」が使用され、この2曲は映画公開週にオリコン週間ランキングでそれぞれ2位と3位を獲得した。

Opening day of latest "Demon Slayer" movie
「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」の初日(7月18日、TOHOシネマズ日比谷)
Source: Kyodo News/Getty Images

   ストリーミングプラットフォームの後押しもあり、アニメは新たな人気の波に乗っている。そして、K-POPの先輩格でありながら、やや地味な存在にとどまっていたJ-POPの海外展開も勢いづいている。

潮流の中心

  「アニソン」と呼ばれるアニメで使われる楽曲は、もはや単なる主題歌やテーマ曲にとどまらず、漫画の根底にあるメッセージを音楽として表現し、世界ツアーや音楽フェスを活気づけ、10代がドライブ中に何度も歌うような現象を生み出している。

  ユニバーサルミュージック所属のMrs. GREEN APPLEは、そうした熱狂の後押しを受けた。このバンドが歌う「ライラック」は、青春の葛藤と希望を描く野球アニメ「忘却バッテリー」の主題歌として、ビルボード・ジャパンで1位を獲得した。

  とはいえ、この潮流の中心にいるのはソニーだ。同社の邦楽部門は、YOASOBI(芸能界の裏側を描いた「推しの子」の主題歌を担当)や、Creepy Nuts(「マッシュル-MASHLE-」のユーモラスな世界観とマッチした「Bling-Bang-Bang-Born」で、幼稚園児までがラップを口ずさんだ)といった新星と次々に契約した。

  そして、Adoはソニーが目指す方向性を示唆する。素顔を明かさず活動するAdoは、アニメ映画「ONE PIECE FILM RED」でキャラクター「ウタ」の歌唱パートを担当し、主題歌「新時代」でブレークした。

  ソウル近郊でのコンサートにAdoのコスプレで訪れたファン、ジェーン・パクさんは「ONE PIECEの主題歌で彼女を知った」と言う。声が海賊を魅了するセイレーンのようだとし、「完全にハマった」そうだ。

  Adoは現在、ユニバーサルミュージックとソニー傘下のアニメ配信サービス、クランチロールのサポートを受け、日本人ソロアーティストとしてはここ数年では最大規模となる世界ツアー「Hibana」に挑んでいる。

  33都市を回るこのツアーは、観客50万人超の動員を見込んでおり、顔を隠したまま活動する歌手としては驚異的な数字だ。所属事務所クラウドナインの千木良卓也社長は、Adoのキャリアは今やアニメの枠を超えつつあると語る。

  今は日本の音楽を海外の人たちが発見し、楽しむ時代だと言う同社長は、日本のクリエーターらはこのまま自分たちの個性を大切にしながら進んでほしいとエールを送った。

原題:Sony Bets Anime Will Help Its Music Go Platinum: Tech In Depth (抜粋)

— 取材協力 Brunella Tipismana Urbano and Andrew Pollack

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