4つの授業コンテンツを提供してきたが「教科横断の授業は難しいのでは」との声もあった。学校や教師の状況に合った、柔軟な授業のあり方を探る。
どこでも「空想科学教室」をおこなえるのか?
空想科学研究所は、「昔話のフシギを科学的に考えよう!」をテーマに、4つの授業コンテンツを「未来の教室/STEAMライブラリー」に提供してきた。
いずれも、誰もが知っている『桃太郎』『うらしま太郎』『ジャックと豆の木』『ラプンツェル』といった「昔話」を題材に、①自ら疑問を抱き、➁疑問解決のための材料を集め、③自分で考えて結論を導く、というコンセプト。
提供したコンテンツに対しては、「面白い試み」「楽しい授業ができそう」「わかりやすい」と、たいへん好評をいただいた。
一方で、現場の教師からは「柳田理科雄だから面白い授業になるのでは?」という声や、「科目や単元を横断した授業は、教師の力量も問われ、難しそう」と、戸惑う意見も出た。
また、「小中学生だけを対象にするのではなく、高校での授業でも使えるコンテンツにならないか」との要望もあった。
これらを踏まえ、上記の声に沿って「現場の教師でもできる授業」や「小学生から高校生まで、幅広く対応できる授業」という点も強く意識しながら、12校で授業を実践することとなった。今年度の実証事業に採択されたのは、そのうち3校での試みである。
生徒ともに驚き楽しむことが授業成功のポイント
今回の実証では、それぞれの学校の状況に合わせ、柔軟なカスタマイズを行った。その結果、以下のことが分かった。
■提供したコンテンツをすべて実施する必要はなく、生徒や状況に合わせた授業設計が可能
■中学生、高校生が対象でも授業は盛り上がる
■正解を探す授業ではないから教師の知識量は、それほど重要ではない
■グループディスカッションが有効
教員用PCおよび大型モニター。生徒各自タブレット、スマホ、PC。WiFi。
ー
ー
https://www.kusokagaku.co.jp/
実証事例名 | どこでも「STEAM空想科学教室」 |
---|---|
受託事業者名 | 株式会社空想科学研究所 |
実証年度 | |
事業カテゴリー種別 | |
実証校 | 埼玉県立大宮商業高等学校定時制、真庭市立北房小学校、滋賀県立河瀬中学・高等学校 |
対象 | |
対象学年 | 小学3年生、6年生 |
学校における慣習・ルールなど変えられないものと思い疑ってこなかったものを題材に、生徒・先生・保護者が対話を重ね、その存在意義や捉え直し...
大学のリソースを活用した運動部活動の地域移行の実現可能性について、施設などの物理面、人、カネ、学校側の考え方など多面的に検証する。
全国の温泉街における課題解決を題材としたイノベーション人材教育プログラム 全国にある温泉旅館街に、展開可能な人材教育プログラムとして、...
「個才」を開いていくための「サードプレイス」の整備を通じた格差是正、Underrepresented な存在への支援 ~子どもの多様な才能を開花させるSTE...
特別支援学校の生徒のITに係る可能性を引き出し、より伸ばすことで、特別支援教育における「ITを使ったクリエイティブ教育」のあり方・実践方法...
STEAM人材育成のための企業研修として、地域の社会課題を題材としたプログラムの実証を行う。 また、研修会社と連携し、自走化のための企業の費...
“栄養教諭“に着目し、学習者にとって身近で自分ごとにしやすく、他分野に個別探究が発展する「食(チョコ)」を題材に学びのSTEAM化を目指す。