EXAイグザアウトドアファニチャー
EXAとは「EXterior product of Accoya」の頭文字。アセチル化木材「ACCOYA®」を使った屋外用の木製ガーデンファニチャーです。
屋外家具
屋外家具は、住まいの外部空間を豊かにするためのツールです。ガーデンファニチャーやパティオファニチャー、テラスファニチャーとして、庭やパティオ、バルコニー、テラスなどさまざまな場所で使われます。これらはアウトドアリビングを快適に整え、屋内と屋外を滑らかにつなぐためのエクステリアファニチャーとしての役割も担います。近年では、住宅や商業施設において屋外でのダイニングシーンを形づくるダイニングテーブル、くつろぎの時間を演出するローテーブル/コーヒーテーブル、ゆったりと腰掛けるラウンジチェア、屋外空間をカジュアルに仕切るベンチやチェア、手元に置きたいものを支えるサイドテーブルなど、用途に応じた多彩なアイテムが揃います。素材にはチーク材、アカシア材、アセチル化木材など、耐候性と美観を兼ね備えた木材が用いられ、屋外環境でも長く使える設計が求められます。屋外ファニチャーは単なる設備ではなく、自然と向き合いながら日々の暮らしを拡張するための「もう一つのリビング」として機能します。アウトドア空間を整えることで、住まいの価値は大きく広がります。庭で過ごす静かな時間、テラスでの食事、パティオでの語らい──屋外家具は、そのすべての時間をより豊かに、心地よいものへと導きます。
EXAガーデンテーブル
このガーデンテーブルは、長いリブ材を連続させて構成した天板と、そのリブとリブの間に挟み込まれた三角断面の板材によって形づくられています。挟み込まれた板材は、地面に対してその頂点が触れるように逆三角形の姿勢で立ち上がり、まるで爪先でバランスを取りながら自立しているかのような軽快な構成を成立させています。
三角形の面材と水平リブがテンション材によって一体的に緊張させられ、一つの断面形がそのまま奥行方向へと連続して伸びる構造となっています。いわば、断面の「型」がそのまま奥行方向へ押し出されることでテーブル全体の形態が成立していると言えます。
この構造的原理により、スティック状のリブ材の本数を増減させることで、テーブルの奥行寸法を自在に調整できる点も特徴です。同一の断面形を保ちながらスケールのみを変換できるため、このシリーズでは用途や設置環境に応じた3タイプの奥行バリエーションを展開しています。
EXAガーデンベンチ
ガーデンベンチは、屋外使用を前提とした“構造体としての家具”という発想から設計されています。座面はスティック状のアセチル化木材を一定ピッチで並べ、その下でV字型の脚が線材的に支える構成をとっています。質量を抑えながら支持力を確保するこの脚の形状は、座面全体に軽快な浮遊感を与えつつ、屋外環境に求められる安定性も同時に成立させています。
座面スリットは光と風の通り道として機能し、自然光の角度や時間帯によって影のパターンが変化し、ベンチ自体が外部空間の時間性を写し取る装置のように振る舞います。アセチル化木材が持つ高い耐候性と寸法安定性により、木材特有の温かみを保ちながら長期にわたって屋外での使用に耐える点も重要な特徴です。
モジュールはEXAデッキテーブルと共通化されており、テーブルとベンチが一体の設計言語で空間を構成します。住宅のテラスやデッキはもちろん、公園や商業施設のパブリックスペースにも対応可能で、規模に応じてレイアウトのバリエーションが柔軟に組める点も特筆すべき点です。
EXAガーデンチェア -02
椅子の形状を決定する際には、座面を支える4本の脚が受ける鉛直荷重、そして背凭れが受ける水平荷重との力学的バランスが重要な検討要素となります。一般に、背凭れを持つ椅子では、背面方向から加わる水平力が脚部へと伝達され、そのうち後脚2本には鉛直荷重と水平荷重の双方が集中します。この荷重の伝達経路をいかに整理し、形態に反映させるかが椅子の構造性を左右します。
本アウトドアチェアでは、背凭れと脚を兼ねる縦材に生じるモーメントの方向性と、その反力の分布を視覚的かつ直感的に読める形へと置き換えています。背凭れの屈折点の位置を意図的にずらすことで、背面方向から加わる水平力の流れを制御し、同時に4本の脚のうち後脚2本に伝わる鉛直方向の荷重と水平力を分担させています。
つまり、形状の屈折や角度の設定そのものが、力の流れと反力の受け皿を明確に示す“構造の可視化”となっており、椅子としての安定性とアウトドア用途に求められる耐久性を同時に成立させています。
EXAガーデンチェア -03
ガーデンチェア-02で試みた背面構成をさらに発展させ、このモデルでは椅子の背面を同一断面の板材で連続させ、屈折した一枚の面としてそのまま地面へ着地させています。背面から座面へと折れながら連続するこの板材が、椅子全体の主要な構造要素を形成しており、一枚の「平面」が折れ曲がることで自立する、極めて建築的な発想に基づいた形態と言えます。
この構成では、前方の2本の脚はあくまで座面を補助的に支える存在であり、荷重支持の主役ではありません。背面から座面へと連なる屈折面が構造のほとんどを担うため、前脚は“従属的な部材”として扱われています。しかしその従属性は、単なる減力要素ではなく、全体の姿勢を前方へと軽やかに導く視覚的な役割も果たします。
前方の脚に大きな構造的機能を与えないことで、椅子全体の重心が過度に前に寄ることなく、安定感を保ちながら軽快な印象を維持しています。背面から座面へと折れて着地する一枚の面と、それを無理なく補助する前脚──構造と形態が応答し合いながら成立する椅子です。
EXAデッキチェア
リートフェルトの名作「レッド&ブルー チェア」へのオマージュとして、このデッキチェアは座面と背凭れを連続するリブによって構成しています。各リブにはステンレス線材を通して緊張を与え、線材的な要素を面へと昇華させた構成とすることで、リートフェルトが示した“面の構成による空間的スケール”を、屋外家具のスケールへ転写しています。両端の肘掛けは在来工法によって組み上げられ、そこを支点として全体をポストテンションで成立させる構造となっています。
このデッキチェアは、単なる屋外用チェアに留まらず、サウナや露天風呂において身体と意識を整える「整い椅子」としても使われています。サウナ後の外気浴で生まれる“ととのう”状態を安定して支えるためには、湿気・水滴・温度差といった外部環境に耐える高い耐候性が不可欠です。アセチル化木材アコヤを採用したこの椅子は、湿気や水に晒される環境下でも寸法安定性を保ち、湯船の周囲やデッキスペースに半恒常的に置かれることで、入浴体験をより快適なものへと導きます。
線材の緊張が生む構造のリズム、リブが連続する軽やかな面、そしてサウナ後の深い休息を受け止める安定感。
このデッキチェアは、リートフェルトの構成思想と、現代の屋外空間の身体性を結びつけた、建築的な家具です。
EXAクレイトチェア
リートフェルトの《クレイトチェア》は、《レッド&ブルー チェア》ほど一般には知られていません。構成は近しいものの、座面の奥行がやや深く、腰掛けた際の座り心地も現行のレッド&ブルーに比べると洗練されていない印象があります。確認された資料は限られていますが、椅子としての完成度やプロポーションの調整具合を踏まえると、《クレイトチェア》は《レッド&ブルー チェア》へと至る試作的段階の一つであった可能性が高いと考えられます。
あるいは、この椅子の経験を踏まえて、より明確に面構成と造形言語を研ぎ澄ました結果が《レッド&ブルー チェア》であったとも推測できます。クレイトチェアには塗装されたバージョンが確認されていないことも、試作段階のプロトタイプであったと想像させる理由のひとつです。
EXAジグザグチェア
リートフェルトの《ジグザグチェア》は、三つの屈折点だけで成立する極端にミニマルな椅子です。座面、背面、脚がわずかな接点でつながれ、視覚的には圧倒的な不安定感を放ちながらも、そのすべてを屈折点の接着強度に依存する、張り詰めた緊張の上に成り立ちます。腰掛ける瞬間に「壊れてしまうのではないか」という不安が生まれ、その緊張感こそが作品の独特な存在感を作り出しています。椅子であるはずなのに、座ることで得られる安息感をも意図的に消し去るような、構造実験的な空気をまとったプロトタイプです。
本作の屋外用チェアは、この《ジグザグチェア》の構成思想を参照しつつ、三つの屈折面を“連続するリブ構造”に置き換えることで再構成したものです。さらに、オリジナルが抱えていた「接着だけに依存した不安定性」を現代的に克服するため、両側にスチールプレートを配置し、全体の構造を強固に束ねる方法を採用しています。
スティック状のリブ材が屈折点を形成し、それを左右のプレートでサンドイッチすることで、力が線から面へ、面から構造体へと一段階ずつ確実に受け渡される。これにより、ジグザグチェアが内包していた危うさが取り除かれ、屋外環境に必要な安定性と耐候性が得られています。アセチル化木材アコヤの高い寸法安定性と、スチールプレートによる外側からの締結構造が組み合わさることで、原作の緊張感を引き継ぎながらも、日常的に使用可能な強度を獲得しました。
オリジナルが提示した「極限の面構成」と、現代素材による補強構造によって成立する安定性。この椅子は、リートフェルトの挑戦を尊重しつつ、その不安定性までもデザインとして読み替えた、建築的な再解釈です。
EXAシェーズロング
スティック状のアセチル化木材を交互に配列し、各スティックをステンレス製の丸棒で連結した、線材と面材が一体となった構造体です。三箇所に屈折点を持つ形態は、座部・背部・脚部が一枚の面として連続し、身体をやわらかく受け止めるしなりを生み出します。
木材の温度感と金属の剛性が融合したこの明快な構成は、軽快な佇まいでありながら屋外使用に必要な強度を確保しており、構造体としての合理性と家具としての快適性を両立しています。
使用しているアセチル化木材は、高い耐候性と寸法安定性を備え、雨や湿気、温度変化の大きい屋外環境においても長期間安定した性能を発揮します。EXAシリーズが掲げる「屋外での持続可能なデザイン」を象徴する素材選択でもあります。
連続する線が面へと立ち上がり、その面が立体へと展開していく——建築的な構成の転写とも言えるこの造形が、周囲の自然光や風の流れと呼応し、静謐で伸びやかなシェーズロングとして外部空間に佇みます。
屋外家具の素材
木製の屋外家具には一般的にチーク材(teak)、アカシア材(acacia)が使われることが一般的です
チーク材
チーク材は天然油分とゴム質を多く含み、水分・湿気・紫外線に強く、未塗装でも長期間の屋外使用に耐えられる点が大きな特徴です。木質が安定しているため、厚みのある家具でも狂いや反りが生じにくく、構造材として高い安心感があります。その一方で、日光や雨にさらされる環境下では色味の変化が大きく、金褐色からくすんだグレーへとほぼ1年ほどで明確に退色します。これは素材の魅力とはいい難く、当初の色を維持したい場合には注意が必要です。
アカシア材
アカシア材は硬く耐久性があり、一定の耐水性を保ちながら割れにくく丈夫で、屋外家具として十分な強度を備えています。その一方で、含水率の管理が不十分な材では、屋外環境での急激な乾燥や湿気により小割れが生じる可能性があります。また、部位によって色差が出やすく、紫外線による退色も早いため、経年変化が均一に進みにくい点はデメリットとして挙げられます。
アセチル化木材
木材に含まれる水分を吸いやすい成分(水酸基)を、疎水性のアセチル基に置き換える処理を施した素材です。オランダで開発され、腐りにくさ・耐候性・寸法安定性が大きく向上します。見た目は天然木のままですが、性能は樹脂素材に近いほど安定しており、反り・割れ・腐朽が起こりにくい点が特徴です。フェンス、デッキ、サイディング、庭園家具など、屋外での長期使用に適しており、ほとんどメンテナンスを必要としないため維持コストも抑えられます。このアセチル化は、自然界にある木材成分と酢酸による化学反応で行われ、新しい化学物質を加えない処理方法のため、環境負荷が非常に低い点も評価されています。ただし、製造工程が高度であることから、素材価格や加工コストが高めになる点はデメリットと言えます。
写真提供:池上産業(株)
アセチル化木材(アコヤ)について
アセチル化木材は、木材を化学的に安定化させることで、耐久性・耐候性を飛躍的に高めた次世代素材です。オランダで研究開発され、現在ではフェンス、デッキ、サイディング、バルコニー、庭園家具など、屋外環境に長期間設置される建築部材として広く採用されています。アセチル化処理によって木材の表面には微細な孔が形成され、水分や紫外線、カビ、腐朽菌の影響を受けにくい状態になります。また素材に含まれるタンニンや油脂などの成分が安定化し、有害性が取り除かれるため、環境に対しても極めて負荷の少ない材料とされています。見た目は天然木と変わりませんが、その性能は樹脂材料に近い領域にまで達しており、寸法変化が非常に小さく、反り・割れ・腐朽といった木材固有の弱点をほぼ克服しています。屋外に常設した場合でも長期的なメンテナンスがほとんど不要で、維持費を大幅に抑えられる点も大きな利点です。その反面、製造工程が複雑で高度な管理が必要なため、素材価格と加工コストが上昇しやすい点が難点と言えます。
アセチル化とは、木材中の親水性(水分を吸収しやすい)をもつ水酸基(–OH)を、疎水性のアセチル基(–COCH₃)に置き換える化学反応のことを指します。自然界に存在する木材成分と酢酸を利用した反応であり、新たな化学物質を加えるのではなく「自然界に存在する成分の構造を変化させるだけ」で完結します。結果として、アセチル化された木材(アコヤ)は環境負荷が極めて低く、完全に無害な素材として国際的に認められています。
ACCOYA®は、ACCSYS Group-Titan Wood社の登録商標です。
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アウトドアリビング
住宅、又は宿泊施設に隣接した屋外空間やベランダ、バルコニーを、室内のリビングルームの延長として取り入れることで、住まいで過ごす時間はより豊かで心地よいものになります。光や風を感じながら、日常の中に小さなリゾートの気配が生まれる——このシリーズは、そんなベランダやバルコニー、テラスを上手に活用するためのリゾート家具です。デザインの一部には、オランダの建築家ヘリット・リートフェルト(Gerrit Thomas Rietveld, 1888–1964)の構成思想を忠実に再現しました。細い部材を面に置き換え、等幅に連続させ、テンションボルトで緊張させる——いわば簀子を構造体として成立させるポストテンション工法を取り入れています。この構成により、水が溜まらないフラットな平面が生まれ、屋外家具としての機能性と建築的な美しさが共存しています。外の空間をもう一つのリビングとして整えることで、住まいは静かに広がり、日々の暮らしも穏やかなゆとりを帯びていきます。
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屋外用の木製家具
これまでの屋外用家具では、木材製のものはほとんど採用されてきませんでした。理由は明確で、一般的な木材には耐水性がなく、対候性にも乏しいため、雨風にさらし続けると劣化が避けられないからです。そのため、屋外空間には金属や樹脂など、耐久性を優先した素材が選ばれるのが常でした。アセチル化木材「アコヤ」は、そうした常識を大きく変えた素材です。木材を化学的に安定化させ、水分を吸収しやすい成分を疎水性のアセチル基に置き換えることで、耐水性・対候性を格段に向上させています。見た目は天然木そのものですが、屋外環境に長期的に耐えうる性能を備えており、木材でありながら“屋外に置ける”新しい可能性を開く素材と言えます。本シリーズのテーブル面や座面には、リブ状の部材を連続させ、一定の隙間を持たせて等間隔に配置する構成を採用しています。これにより面に水が滞留することがなく、雨上がりの日でもリブの上にわずかに残った水滴を軽く拭けば、すぐに使用できる状態になります。また、この連続したリブ構成は単なる意匠ではなく、肉厚の面材をつくり出す構造体として成立しています。十分な重量があるため風で煽られにくく、さらにリブの隙間から風が抜けることで面が受ける風圧も自然に減衰します。その結果、屋外に置かれた家具として求められる“安定性”を非常に高いレベルで満たしています。耐久性、機能性、そして木材ならではの質感を併せ持つ、重厚で安心感のある屋外家具。アコヤが可能にしたこの新しいかたちが、外で過ごす時間をより豊かで快適なものへと導きます。
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ノックダウン式がもたらす、合理性と“構造を理解する”体験
このシリーズはすべて、お客様ご自身で組み立てていただくノックダウン式を採用しています。組み上がった状態では重量が大きく、サイズも嵩張るため、ノックダウン仕様にすることでコンパクトな荷姿となり、設置場所まで無理なく運び込める利点があります。もうひとつの理由は、この家具の構造そのものにあります。連続するリブ材をテンションボルトで緊張させ、ひとつの強固な面として成立させるポストテンションの仕組みは、実際に自ら組み立てることで理解が深まります。どの部材がどの方向に力を受け、どの程度の張力で面が成立しているのか──その構造の理にかなった動きを体感することで、家具への信頼感も自然と高まります。そして一度その構造を身体で覚えてしまえば、使用を重ねるうちにテンション材がわずかに緩んだり、面材に微細な変形が生じた場合でも、ご自身で容易に調整できるようになります。木材家具でありながら“構造体を扱う”という感覚に近い、道具としての魅力がこのシリーズには宿っています。ノックダウン式であることは単なる梱包や輸送のための仕様ではなく、家具の構造を理解しながら使い続けるという、もうひとつの価値でもあるのです。
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リートフェルト(Gerrit Thomas Rietveld, 1888–1964)へのオマージュ
レッド&ブルー チェアは、20世紀初頭にオランダで興った芸術運動「デ・ステイル」と深く呼応する作品です。リートフェルトは、同運動の中心人物である画家ピート・モンドリアンが提唱した新造形主義の思想を家具に取り込み、絵画そのもののような椅子を生み出しました。直線と原色による構成、最小限の要素で形づくられたフォルムは、それまでの椅子が持っていた“装飾としての色”を大胆に排し、構造の本質だけを純粋に示しています。その存在は、絵画が空間へと立ち上がったかのようであり、家具というカテゴリーを超えた造形表現とも言えます。レッド&ブルー チェアの登場以降、リートフェルトは原色と幾何学的な構成を用いたオブジェや建築作品を次々と生み出し、当時の前衛的なムードを現代へとつなぐ重要な制作を残しました。デ・ステイルの精神を体現するこの椅子は、いまなお革新性を失わず、リートフェルト作品の象徴的な存在であり続けています。
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整い椅子
サウナの熱に身を委ね、深く温まった身体を外の空気へと解き放つ瞬間。そのわずかな時間を、より深く、より静かに「整える」ために生まれたのが整い椅子です。外気浴は、温冷交代のリズムを整え、呼吸の質を高め、思考を澄ませるサウナの仕上げとも言える大切な行為です。そこで求められるのは、身体の力が自然と抜け、浮遊するような姿勢へ導いてくれる道具。その役割を柔らかく果たすのが整い椅子です。椅子の傾斜角と背のラインは、サウナ後の身体に無理なく寄り添い、深い脱力を生み出します。静かに座り込むと、体温と外気の温度差がゆっくりと交差し、意識がほどけていく——それはサウナを完成させる“最後の工程”とも言える体験です。サウナ小屋の外、ベランダ、テラス、バルコニーなど、どの場所にもそのまま置くことができ、メンテナンスの手間もほとんどかかりません。サウナで整い、椅子で仕上げる。そのシンプルな行為は、屋外の空気とともに過ごす時間を穏やかに深めていきます。
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軽井沢という環境が証明する、EXAシリーズの耐候性と交換性
軽井沢は日本でも有数の別荘地として知られていますが、その気候は想像以上に厳しいものです。湿度は低く、冬場は氷点下の日が続き、積雪にも長期間さらされます。それでも広大な自然を背景に、アウトドアリビングが日常生活に溶け込んでいる土地でもあります。屋外家具は軒下に片付けられることなく、ほぼ出しっぱなしの状態で置かれるのが一般的です。寒暖差や降雪、乾燥、紫外線といった要因に加え、バーベキューの際に炭がこぼれて焦げが生じるなど、室内では起こり得ないアクシデントもしばしば起こります。掲載の画像は、軽井沢の住宅に設置したガーデンテーブルの推移を記録したものです。設置当初の状態、厳冬期に深い雪の下へと埋もれた状態、バーベキューの熱で部材の一部が焦げた状態、そしてその1本のリブを交換した状態——EXAシリーズがどのようにこの環境を乗り越えるかを示す貴重な記録となりました。アセチル化木材「アコヤ」による高い耐候性と耐水性、連続するリブ構成による交換性の高さ。EXAシリーズは、軽井沢のような過酷な環境下でも、屋外家具としての役割を確実に果たし続けます。自然の厳しさにさらされながらも使い続けられること。そして必要な際には1本単位で交換し、元の美しさを取り戻せること。その両方が備わって初めて“屋外家具としての信頼性”が生まれます。軽井沢でのこの実例は、EXAシリーズが目指す屋外家具の在り方を静かに証明しています。