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臨死体験が仕事観も変える! 真の働き方改革は“死後の世界を垣間見た人々”に学べ?|webムー 世界の謎と不思議のニュース&考察コラム
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臨死体験が仕事観も変える! 真の働き方改革は“死後の世界を垣間見た人々”に学べ?

文=仲田しんじ

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    人生において仕事が持つ本質的な意味とは――。死の淵から生還した臨死体験者の多くが、その後に仕事を変えているという。臨死体験が仕事に対する価値観を劇的に変えているというのだ。

    臨死体験がもたらす6つのテーマ

     命を落としかけた時に経験するという臨死体験(NDE)は、医務室のベッドで仰向けに寝ている自分の身体を天井から見下ろしたり、これまでの人生を振り返ったり、霊的な存在との遭遇、世界との深い一体感と愛の感覚など、人によってさまざまな形式をとる。

    イメージ画像:「Adobe Stock」

     カナダ・ゲルフ大学の研究チームが今年4月に学術誌「Journal of Management, Spirituality & Religion」で発表した研究によると、死と隣り合わせの経験をした臨死体験者のほとんどは、仕事に対する考え方を根本的に変えていることが突き止められている。臨死体験者の多くはそれまでの報酬、地位、キャリアアップの追求から、臨死体験後には意義のある仕事、そして同僚や顧客との真の人間関係を求める方向へとシフトしているというのだ。

     研究チームは平均年齢52歳、平均18年前に臨死体験を経験した14人の働く成人(女性9人、男性5人)にインタビューを行った。彼らの職業は、農業、マーケティング、事業主、ウェイター、法律、事務、教師など多岐にわたる。

     そして研究者たちは、被験者たちの話を詳細に分析した結果、臨死体験が仕事に与える影響を特徴づける6つの主要なキーワードを特定した。それは以下の通りだ。

    ⚫️洞察と新たな認識:死後も意識が継続すると信じることや、すべての人々の普遍的なつながりを感じることなど。
    ⚫️個人的な変化:自信や精神性の向上、時には異常な能力の認識など。
    ⚫️仕事の優先順位:物質的な成功に対する重要性の低下と、仕事の意義と個人的な達成感の重視。
    ⚫️転職:臨死体験者の75%が事後に転職している。
    ⚫️モチベーションの変化:従来の仕事の目標への興味喪失。新たに発見した価値観に沿った仕事に意欲的になった。
    ⚫️同僚、顧客との関係の変化:共感力の向上、ビジネス取引を単なる金銭のやり取りではなく、人間関係を築く機会と見なすようになる。

    臨死体験が仕事観を変える

     このように、研究チームは臨死体験をした働く成人へのインタビューを通じて、仕事への取り組み方に大きな変化があったことを突き止めた。臨死体験の後、キャリアにおける他者からの評価や経済的成功の重要性が急落したと参加者全員が報告しているのだ。その一方、個人的成長と社会貢献に対するモチベーションが高まったという。

     多くの臨死体験者にとってこれらの変化は劇的で、より意義のある仕事を求めて75%が臨死体験後に転職しており、企業での昇進ではなく起業を選び、精神的充足感を重視するようになっていた。また、ボランティア活動に打ち込むようになった者もいた。

     仕事を変えなくとも、仕事に対する見方を大きく変えたり、同僚や顧客への共感力を高めたり、臨死体験後に身につけたとされる特殊な能力を取り入れたりした者もいた。ある臨死体験者は、交通事故の調査において、事故車の状態やシートベルトの損傷などから、むち打ち症、骨折、頭部外傷など、事故被害者の怪我の詳細を直感的に感じ取れるようになったと説明している。

    画像は「Ingenta」より

     さらに臨死体験者は共感力が高まり、取引相手とより深いつながりを求めるようになった。ビジネス取引を単なる金銭のやり取りではなく、人間関係を築く機会と捉えているのだ。

     ある臨死体験者にとっては、金銭取引が新たな意味をもつようになり、単なるサービスと対価のやり取りから、共に存在することへの感謝の気持ちを表すものへと変化したという。

    臨死体験者が教えてくれること

    画像は「pixabay」より

     とはいえ、我々のほとんどは(本当の死が訪れるタイミングまで)臨死体験をすることがない。では、死後の世界を垣間見た人々から今すぐにでも学び取れることがあるとすれば何か? 研究チームが指摘するのは、臨死体験者と同様の視点に立って人生を見つめ直してみることの重要性だ。

     臨死体験者のほとんどは、人生の意義や質の高い人間関係を犠牲にして過剰な生産性を追求してきた伝統的組織の価値観に疑問を投げかけている。その考え方を応用し、日々の仕事において組織内での評価よりも社会的意義のある課題を優先し、職場のより良い人間関係を育み、報酬以外の目的を見出すなど、新たな視点を取り入れることができるというのだ。そして、意義ある仕事に従事する労働者は、過労による燃え尽き症候群とは対照的に、最終的にはより高い生産性と達成感が得られるという。

     これからの働き方は、臨死体験者に学ぶべき――そんな時代もやってくるかもしれない。

    ※参考動画 YouTubeチャンネル「NDE – Beyond Life」より

    【参考】
    https://studyfinds.org/near-death-experiences-how-people-view-their-jobs/

    仲田しんじ

    場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
    ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji

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