Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456 英語力アップ思索の遊び場 > 高杉親知の日本語内省記 > 英語力アップ
最近やたらと「アップ」、「ダウン」という言葉が使われている。しかし英語の up と down は副詞である。名詞でもないし、動詞でもない。英語の speed up, speed down を「スピード・アップ」、「スピード・ダウン」として受け入れ、これを「スピードをアップする」、「スピードをダウンする」と解釈したのが始まりだろうが、単純に間違っている。speed が動詞で up と down は副詞なのだから、日本語式に読むなら「アップにスピードする」、「ダウンにスピードする」である。つまり「上に (up) 加速する (speed)」、「下に (down) 加速する (speed)」ということだ。「下に加速する」とは奇妙だが、climb が「登る」を意味するのに climb down が「降りる」を意味するのと同じだ。もっとも普通は speed down ではなく slow down を使う。「バージョン・アップ」はこの誤った「アップ」から作られた和製英語だ。同じく「カウント・アップ」、「カウント・ダウン」も元の count up, count down の count が動詞なので、「上に (up) 数える (count)」、「下に (down) 数える (count)」という意味だが、「カウントをアップする」、「カウントをダウンする」だと勘違いされているように思える。その他、日本語で動詞のように使われている英語の副詞に on, off がある。「スイッチ・オン」、「スイッチ・オフ」は「入りに (on) 切り替える (switch)」、「切りに (off) 切り替える (switch)」であり、「スイッチをオンする」、「スイッチをオフする」ではない。
気色悪い言葉としては他に「イン」がある。「フルーツ・イン・ゼリー」や「リンス・イン・シャンプー」の「イン」だ。英語の in は前置詞で、語順が日本語とは逆のため、fruits in jelly はゼリーの中の果物という意味になる。もしかして「フルーツ・イン・ゼリー」は本当にゼリー漬け果物を売っているのだろうか。そうならもっと果物を増やすべきだ。てっきり果物入りゼリーだと思っていた。