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13920382 comment

phasonのコメント: Re:ice-VIII'相の二重ネットワークが謎 (スコア 2) 3

by phason (#3623166) ネタ元: 水の二相モデルは幻か?:新たな実験結果

>水素結合は電気の分極から生じる緩い結合じゃないですか。

水素結合も結構強いですよ.
配位結合の典型的な強さ(これもまあ,何の配位かによって大きな差がありますが)が確か40-60 kJ/mol程度なのに対し,水中での水の水素結合の強さが20 kJ/mol程度ですので,同じオーダー程度の強さはあったかと.

また距離に関しても,例えば手元のMn3+にNCS-が配位しているような錯体でMn-Nの結合長が2.14 Åぐらいと,Mn3+のイオン半径0.78 Åと窒素原子のファンデルワールス半径1.55 Åの和2.33 Åより0.2 Å短い程度ですが,氷(Ih)におけるO-H-Oの結合長は2.76 Åと,酸素原子だけのファンデルワールス半径の和3.04 Åよりも0.3 Å程度も短くなっています.実際にはその間に水素原子もあるわけで,かなりギチギチに詰まっています.

また,水素結合は単なる分極間の引力ではなく,複数の効果の合わさったものです.
例えば水素原子の量子性や,水素を介した三原子間での共有結合(3中心結合),軌道間の反発,そして古典的な分極による引力などが結びついた結果として生じるものです.このため,結合方向にそこそこ強い制約がかることが知られています.
(この辺は,計算精度の向上もあり今でもちょくちょく議論が出ています)

あとはまあ,この実験自体が低温で行われており,運動エネルギーが小さいという点,連続した一つのネットワークが,分断され交差した2つのネットワークという対称性的にも大きく異なるものに転移することが難しい点などが効いているのかと.

13918582 journal
日記

phasonの日記: 水の二相モデルは幻か?:新たな実験結果 3

日記 by phason

"Absence of amorphous forms when ice is compressed at low temperature"
C. A. Tulk, J. J. Molaison, A. R. Makhluf, C. E. Manning and D. D. Klug, Nature, 569, 542-545 (2019).

13904899 comment

shimotsukiのコメント: Re:Windowsでまともなファイルバックアップソフトウェアがほとんど存在しない理由 (スコア 3, 参考になる) 103

ファイル履歴は全角文字と半角文字を区別しないため、「File.txt」と「File.txt」を同一ファイルと誤認する。
そして、同一ファイルが同一フォルダに複数存在するとコケる。
でもそういうのがなくてもまともに動作しないですね。
パスの長さとかダメ文字とかなんだろうとは思いますが。
ファイルパスの余計な正規化処理が入っていて、それが国際化非対応なんでしょう。
何度も公式フォーラムで出ている話題ですが、全く改善される気配がありません。
公式フォーラムからのフィードバックしてないんでしょうね。

13902350 journal
教育

minato_nakazawaの日記: Predatory Journals対策 37

日記 by minato_nakazawa

メールチェックしたら,American Journal of Nursing Science (http://www.nursingscience.net)というところから,Nurse Education Todayに載った論文を読んでオファーするのだが我が誌で特別号のエディタやりませんか,というメールが入っていた。

13902351 submission
教育

Predatory Journals対策

タレコミ by minato_nakazawa
minato_nakazawa 曰く、
メールチェックしたら,American Journal of Nursing Science (http://www.nursingscience.net)というところから,Nurse Education Todayに載った論文を読んでオファーするのだが我が誌で特別号のエディタやりませんか,というメールが入っていた。

こういうオファーは大抵,いわゆるpredator journalからのセールスなので無視するが,看護分野では,三重大学の谷村さんが書いている(本文pdfは,リンク先の「機関リポジトリ」からダウンロードできる)ように,INANEというホワイトリスト(ここに載っていれば信頼できる雑誌であるというリスト)が存在し,Aで始まるジャーナルの中にAmerican Journal of Nursing Scienceはなかったので,信頼できるとはいえないようだ。

Journal Citation Reports (JCR)に載っていてImpact Factor (IF)が付いているような雑誌ならまず安心だが,IFが付くかどうかは,有力な出版社から出ているかとか,米国図書館業界との付き合いがあるかといったことと関係があり,日本熱帯医学会の英文誌も長年努力を続けて,漸く候補に入れて貰えるようになった(まだIFは付いていない)くらいハードルが高いものなので,IFが付いていないとダメだという判断はできない。学問の分野によっては,トップジャーナルでもIFが付いていない場合もあるので,ホワイトリスト方式には限界がある。

日本では通称ハゲタカジャーナルと呼ばれたpredatory journalsとは,peer reviewedのまともな学術雑誌のような体裁をとりながらも,内容はほぼチェックされずに高額な掲載料を著者から得ることでビジネスモデルが成立している雑誌群のことで,ほぼそれだけを狙って作られたような出版社さえ存在する。とくにオンラインのみのOPEN ACCESSをうたうものに多い。米国の図書館学芸員というか司書というべきか,ともかくlibrarianなJeffrey Beallがそれらのビジネスの興隆を指摘しブラックリストを作って公開した(経緯は国立国会図書館のCurrent Awareness Portal記事参照)ことで世の中に知られるようになった。カウンターアクションがあったり,いろいろ揉めたりしたことが原因か,2017年にBeall自身が作っていたリストやコロラド大学のBeallのページは消滅したが,Beall's Listなど,後継的なプロジェクトは存在する。5月1日付けのTHE SCHOLARLY Kitchenの記事Cabell’s Predatory Journal Blacklist: An Updated Reviewに紹介されている,Cabellのブラックリストは,矛盾も含んでいたBeallのリストを置き換える目的で作られたものとのこと。

おそらく,ホワイトリストに見つけられなかった場合は,これらの複数のブラックリストをチェックして,怪しくないかを確認するというのが,現実的な対策だと思う。

13902299 submission
日記

井戸書店での松宮宏『アンフォゲッタブル』発刊記念トーク&ジャズの夜参加レポ

タレコミ by minato_nakazawa
minato_nakazawa 曰く、
4月29日に偶々表記イベントの開催を知り,楽しみにしていた。歩いて行ける場所で,こんな素晴らしいイベントがあり,とくに予定が入っていない以上,行かないという選択はありえない。

18:50頃に井戸書店に着いたが,席は8割くらい埋まっていた。1000円払って,水かハイボールかビールから選べたのだが,まだ酔いたくなかったので水を貰った。

19:05頃満席となったところで『アンフォゲッタブル』(鐵人三國誌に書いたが,神戸を舞台にした美味しい話を書かせたらピカイチな著者だが、今回はジャズを軸に据えた胸が熱くなる展開に泣けた傑作であった)の著者である松宮宏さんが登場した。井戸書店の店主さん(たぶん)からの,床を木製にしたので棚を可動式にしてイベントスペースを作ったという説明に続いて,掛け合いのような形で,これまで松宮さんが書かれた神戸や姫路を舞台にした小説の着想や小ネタについての話が進んだ。発売直後に行われたトークライブに飛び入り出演した神戸市長って,なかなか粋な方なんだな。

『アンフォゲッタブル』の主人公が12歳でトランペットとともにひとりぼっちになってしまったときに支えになった曲がClifford Brownの「I remember」だったという一節の朗読(そごうで物産展を担当している市職員の方? が朗読された)に続き,Ruffのお二人が演奏された。

アコースティックギターの「けんちゃん」(とサックスの女性が何度も呼んでいた)とサックスの女性のデュオなのだが,本が吸音材になってもっとdeadな音場空間になるかと思ったが,想像以上に良い響きがしたのは,たぶん木の床だからだろう。いやもちろん楽器や演奏も良いのだと思うが。

その後も『アンフォゲッタブル』に出てきたネタの着想元や取材先から得た情報を少し話された後(たぶん『アンフォゲッタブル』の栞さんのモデルはRuffの女性サックス奏者だと話されていたような気がする。「けんちゃん」は唇がぶあつくなかったしトランペット奏者ではないから主人公のモデルではないはずだが),今度は「けんちゃん」がアンパンマンミュージアムの裏で主人公がトランペットを練習しているシーンを読んで思いついて作った,出来たてほやほやの曲として「ピース」がギターソロ曲として演奏された(曲の感じから言って,たぶんPeaceなのだと思うが,もしかしたらPieceかもしれない)。ギターの音がメチャクチャ良かったし,メロディも美しかったので,音源が欲しくなってしまった。

その後暫くして松宮さんの話は一段落して,ここからはRuffのライブです,ということで,ミニライブが行われた。Ruffのお二人は塩屋にお住まいで,スタンダードではなく,ライブではほぼオリジナル曲を演奏するという話だった。

1曲目の「After sunset」はサックスとギターが語り合うように夕暮れから夜に楽しくお喋りするといった感じの曲,2曲目の「Clap」はアップテンポで客席も手拍子して盛り上がる曲,3曲目は「Potato and beans」というお二人のイメージを投影したという曲で,これも仲睦まじい掛け合いを手拍子で盛り上げる曲で,どれも大変楽しかった。自然にアンコールがかかり,「Unforgettable」のショートバージョンに続いて,塩屋の家への帰り道で思いついて作ったという「家路」という,何となくオシャレで楽しげな曲でフィナーレとなった。

その後質問コーナーがあったのでAIの着想はどこから得たのか尋ねてみたところ,テレビ番組で石黒教授とアンドロイドを見て面白いと思って調べたのがきっかけだったというお答えだった。執筆場所とか神戸出身の某美人女優(『アンフォゲッタブル』の中でも微妙に仮名にされているので敢えて名前は書かない)についての質問があってトークショーはお開きとなった。何というか,Unforgettableなイベント(うまいこと言った)。

明日も午後2時から無料の落語会があって,2番手で店主さんも登場されるそうだが,時間的にこれは行けないかなあ。しかし歩いて行けるところに,こんなに面白い本屋さんがあるとは,新長田に引っ越して良かった。

ちなみにRuffを検索したらFacebookページがあって,今日のイベントについてのエントリがあったので,音源販売はしていないのか尋ねるコメントを書いてみた。ここによると1st albumは製作されているらしいのだが,購入方法がわからない。

13902298 journal
日記

minato_nakazawaの日記: 井戸書店での松宮宏『アンフォゲッタブル』発刊記念トーク&ジャズの夜参加レポ 1

日記 by minato_nakazawa

4月29日に偶々表記イベントの開催を知り,楽しみにしていた。歩いて行ける場所で,こんな素晴らしいイベントがあり,とくに予定が入っていない以上,行かないという選択はありえない。

18:50頃に井戸書店に着いたが,席は8割くらい埋まっていた。1000円払って,水かハイボールかビールから選べたのだが,まだ酔いたくなかったので水を貰った。

13901214 journal
テレビ

minato_nakazawaの日記: インハンド第4回感想

日記 by minato_nakazawa

インハンド第4回はトキソプラズマによるネズミのparasite manipulationの話から始まったので,今回こそは寄生虫かと思ったら(初回の人物説明では天才寄生虫学者という話だったしT. cruziネタだったが,その後は何故かずっとウイルスネタなのだ),やはりウイルスだった。脳炎の影響が自殺にだけ向かうというのはちょっと無理っぽいが,現実と虚構の混ぜ方としては上手い部類だと思う。

ただ,次回予告で東南アジアでエボラウイルスで村が全滅という話が仄めかされたが,それは流石に無理じゃなかろうか。エボラウイルス病のアウトブレイクはアフリカでしか記録されていないはず。某小説のように,生物兵器のテストのために持ち込んだという設定にでもするのだろうか?

ついでに,これまでの感想もsradにもアップロードしておく。

(第1回)

13901209 journal
日記

minato_nakazawaの日記: GoBe2関連の情報

日記 by minato_nakazawa

ラオス北部農村で食事調査が難しいため,院生がさまざまな方法論を試しているのだが,その1つとして試しているGoBe2について,情報のアップデートを探していたら,UCDavisで2018年秋に食事記録と同時にGoBe2を付けたという報告を見つけた。

対象者の人数が,2019年2月のニュースリリースでは27人となっているが,2019年4月25日のUCDavisのニュースリリースでは35人となっている。14日間(×2回?)とあるので,従来報告されていた5人×5日間より,かなりスケールアップしている。

13901204 journal
ソフトウェア

minato_nakazawaの日記: 人口学関係のRパッケージの現在

日記 by minato_nakazawa

自分が開発しメンテしているfmsbパッケージも日本の人口データや人口学関係の関数を含んでいるし,pyramidという人口ピラミッドを描くためのパッケージもcranに載せているが,他の人口学関連のパッケージはどうなっているのか現状を確認してみた。

いつの間にかdemogRに新しいメンテナが見つかって復活していた。もっとも,Caswell (2001)とMorris and Doak (2002)に書かれている,行列モデルによる年齢構造人口解析の実装としては,popbioというパッケージがあり,そちらの方が多機能なように思われる(説明が本の章に対応しているし)。

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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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