楽天モバイルも出資する
AST Spacemobile の通信衛星
BlueWalker 3 が夜空で最も明るい物体の一つになっているそうだ
(
IAU のニュース記事、
The Verge の記事、
論文アブストラクト)。
BlueWalker 3 は AST が計画する通常の携帯電話による衛星モバイル通信サービスのコンステレーション構築に向けたプロトタイプの衛星として、昨年 9 月に打ち上げられた。地球低軌道上の衛星は 64.3 m
2 のフェーズドアレイアンテナを持ち、ピーク時の見かけの等級は 0.4 等級に達する。この明るさはプロキオン (こいぬ座α星) やアケルナル (エリダヌス座α星) に相当し、夜空で BlueWalker 3 よりも明るい天体は月と 5 つの惑星、 7 つの恒星のみとなる。また、打ち上げからデプロイまでアンテナを格納していた Launch Vehicle Adapter (LVA) の見かけの等級も国際天文学会 (IAU) 推奨値 (7 等級) のおよそ 4 倍の明るさとなる 5.5 等級に達するとのこと。
また、BlueWalker 3 は光学天文学だけでなく電波天文学による観測にも影響を与える。電波望遠鏡は不感地帯に設置されるため、通常は地上での通信に使用する周波数帯の電波による影響を受けないが、通常の携帯電話と直接通信する BlueWalker 3 は電波望遠鏡の観測周波数に近い周波数の電波を送信するためだ。衛星を使用するサービスはモバイル通信の改善に大きな役割を果たすが、科学的観測への影響を最低限にする必要もある。論文執筆者の一人は運用しながら改善を進めていけるのが最も理想的だとしつつ、不可能な場合は打ち上げの認可段階の影響評価義務付けが必要との考えを示している。