私の実家、というか、結婚前まで住んでいた家は、そこそこの高さの山に囲まれている。特に、TVの電波が飛んでくる南側にどどんと大きな山がそびえており、VHFは大体見られるのだが、UHFとなると壊滅的に見られなかった。VHFでもなぜかNHK教育が見えない。昔はもうちょっと見えたのだが、今は模様がある砂嵐といったところ。父が好きな囲碁の中継でさえ、内容が掴めないというのは終わっている。家の大屋根に立てているアンテナが台風などで少しあさっての方を向いたのか、はたまた、アンテナそのものが古くなって劣化したのか。こっち方面は(も)疎いので、理由はよくわからない。
さて、NHKの幼児向けの番組は現在、殆どがNHK教育で放映されている。私が出産のためしばらく実家に滞在する際に、子供が見慣れた「おかあさんといっしょ」等が見られた方が都合がいい。というわけで、両親はNHK教育の受信環境を改善しようと試みてくれた。選択肢としては、
 - 地域の共同アンテナに申し込む
- アンテナその他を新調する
の2つ。共同アンテナの方は、初期費用がなんと\200k弱する(!)そうで(\20kではない)、却下。アンテナその他を新調することになったのだが、そもそも何でNHK教育だけ映りが悪いのかNHKに問い合わせてみたところ、「まずご近所の受信状況を聞いてください」と言われたそうで、親は近所の人にいろいろ訊いてみた。すると、なんと我が家のすぐ南側のお宅は「我が家では地上デジタル放送が映って、教育はそっちで見てます」という返事で、新しもの好きのうちの親は「うちもデジタル放送~! テレビも新調する~♪」と俄然張り切ってしまった。
でもって、地上デジタル放送を導入すべく、アンテナを設定するためにまず電器屋さんに来てもらった。その電器屋さんが丸1日かけてがんばって下さって分かったのが、「地上デジタル放送は無理」ということだった。大屋根の端っこにアンテナを立てて、ようやくかすかに受信できるかできないかで、風が吹くだけですぐアウトという状態。「地上デジタル放送が受信できている南側の家は、我が家よりも低い位置にあるのに、どうして!?」と親が考えるのも無理はない。我が家から見て東南方向に、南にそびえる大きな山の切れ目があり、デジタル放送の電波を出している電波塔とその切れ目のちょうど延長線上に、南側の家はあるらしい。位置関係はこんな感じ↓。
 A(名古屋)
 
山山山山山山 山山山山山山山山山山山山山山山山山山山
       山                  山
       山                  山
       山      [南の家]        山
       山      [実家]         山
A(UHF) 山                  山
       山                  山
       山  山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山山
笑ってしまうほどの絶妙さに私は感心してしまったのだけど、親はちょっと悔しいらしい。
本来の目的である「NHK教育を受信できるようにする」というのは、家から東方向にある電波塔からのUHF電波を受信することで叶った。こちらからもデジタル放送の電波は出ているはずなのだが、映像を見るのに十分な強さはないらしい。デジタル放送の電波ってのは、指向性が強いの? っていうか、私が想像するにデータの欠損に弱いんかしらん? それはともかく、こんな調子なのに、お上は本当にアナログ停波をするつもりなんだろうか? この状態でアナログ停波したら、私だったらもうテレビは見ないし、当然受信料も払わないぞ。…あ、でも、NHK-FMだけは聴きたいなぁ(とすると、受信料払わんとあかんか?)。
ところで、この日記のトピックの選択は「テレビ」でいいんかな?