大地震の規模比較には地震エネルギーの推定量から換算するモーメントマグニチュードが良いかと思いますが、昨夜の気象庁会見時点での速報値ではMj8.5（気象庁マグニチュード）、Mw7.8（モーメントマグニチュード）となっていましたね。（気象庁の報道発表資料、主な地震の発震機構解（速報値））

今後の精査で震源の位置（経緯度・深さ）・規模（マグニチュード）などの要素はある程度変わってくるかと思います（暫定値の発表は1-2日後～、確定値の発表は数ヶ月後～）。また、震源過程解析なども行われるかもしれません。（国内で発生した顕著な地震の震源過程解析結果）

Mw8.0超の深発地震としては、以下のような例があります。

• 1994年6月8日 深さ631km Mw8.2 ボリビア深発地震
• 2013年5月24日 深さ598km Mw8.3 オホーツク海深発地震

参考：

• 【小笠原で震度5強・M8.5の地震】気象庁 記者会見 生中継
• 深発地震: 深発地震のメカニズムや過去例など
• マグニチュード: マグニチュードの種類や目安など

現在の気象庁震度階級への換算に使われる計測震度の値は、加速度と速度の中間値の対数と概ね相関するようになっています（周期効果フィルター[f ^-1/2]の特性）。

台湾の場合は日本に近い震度階級が使われていますが、加速度の値のみを用いて階級を分けているようです。

• 加速度・速度の積と計測震度との関係
• （最大）加速度・（最大）速度・計測震度について
• 平成21年3月31日から「気象庁震度階級関連解説表」が新しくなります
  （震度の求め方が3月31日から変わった訳ではありません）
• 中央氣象局全球資訊網
  地震百問：35.何謂震度？

P波が到着した（つまり縦に揺れた）時点で

よく勘違いされやすいのですが、縦波（地震波であればP波）による振動＝地平面に対して縦の揺れ（上下動）な訳ではなく、振動の進行方向と並行なものを縦波、垂直なものを横波と呼びます。

つまり、P波の振動方向は地震波の到来方向（≒震源の方向）をおおよそ示すものとなり、必ずしも上下の振動になるとは限りません。

P波による震源の方向の推定は、緊急地震速報（主に１～２点のみの地震計でP波を検知した段階、B-Δ法）の処理でも使われているようです。参考：緊急地震速報の概要や処理手法に関する技術的参考資料