主に死球を与えるイメージが強い投手、特にインパクトの強い死球をよく与えている投手または球団に与えられる称号。
単純に与死球が多い場合と、多くはなくても故障させてしまった場合などの両方が当てはまる。
主な選手
- 藤浪晋太郎(阪神→OAK→BAL→NYM傘下→SEA傘下→DeNA)
入団当初から制球難ではあったが2017年~2019年までは特に顕著で1試合で1死球出すことも珍しくなかった。しばしば右打者の、しかも頭部に死球を当てるため、対戦相手は左打者を並べることが多い。現在では破壊神といえば大体彼のことを指す。他にも死神やスナイパー、投げる国際問題、日本が唯一輸出した兵器と呼ばれることも。
NPB時代は和田豊監督時代の酷使や金本知憲監督時代の161球懲罰投球などに対する批判もあり同情的な意見も少なくなかったが、MLBでもあまり改善していないことや、ほっといてくれ発言もあり、同情的な意見も減少気味である。
そして2025年7月15日、日本が唯一輸出した兵器が満を持してDeNAに逆輸入された。今度は阪神が破壊神の餌食となる…かもしれない。
- 美馬学(楽天→ロッテ)
「避けようとすれば避けれる」を参照。
- 西勇輝(オリックス→阪神)
オリックス時代から与死球の数こそ多いものの、球速はそこまで速くないことからさほど問題視されずにいた。しかし2014年の日米野球でアメリカ代表のロビンソン・カノに死球を与え、試合後カノの骨折が判明してしまったため、この頃から一部では破壊神と呼ばれるようになる。藤浪同様、西もまた与死球で崩れることが少なくない。また、小久保裕紀の引退試合を破壊したことを破壊神と言われることも。
- 山口俊(元横浜/DeNA→巨人→TOR→SF傘下→巨人)
横浜時代から巨人一期目を通じて与死球ランキングの常連であり、特に會澤翼(広島)には2打席連続死球を与えるなど何かと因縁があった。
フォームの矯正で改善に取り組んだこともあったが、2021年9月14日の古巣・DeNA戦では危険球退場*1のNPB新記録を作っている。
- 大谷翔平(日本ハム→LAA→LAD)
花巻東高時代から豪速球投手として知られる一方で、コントロールは今ひとつであった。日本ハム時代の2013年は61イニングを投げて8死球を与えており、2013年にはブラッド・エルドレッド(当時広島)、2014年には伊藤光(当時オリックス)への投球によってスタジアムが騒然となっている。
2013年と2016年の与死球率は同年の藤浪を上回っているが、2017年~2020年は怪我で投手を休業していたため鳴りを潜めている。
- ジョニー・ヘルウェグ(元広島)
広島入団前から助っ人外国人に詳しいファンには既にその凶悪性を知られており、2018年に広島に途中加入するやたちまち破壊神候補の活躍を見せた。投球スタイルが藤浪と酷似していることから「米製藤浪」や「ヘル浪ウェグ太郎*2」と呼ばれることもあったが2019年11月に広島を戦力外になった。
- 澤村拓一(巨人→ロッテ→BOS→ロッテ)
- 高橋礼(ソフトバンク→巨人)
2021年の開幕ローテに入るものの登板する度に四死球を連発しており、4月12日の西武戦にて外崎修汰を死球で骨折させてしまったことで一気に有名になった*3。なお、高橋の通算死球割合は藤浪を上回っており*4、下から投げる藤浪とも。
- 坂本光士郎(ヤクルト→ロッテ)
ヤクルト時代から奪三振能力に長ける一方で制球難を克服できないでおり、さらには与死球後の態度にも悪い意味で定評がある。
2024年8月6日のソフトバンク戦では近藤健介に死球を与えた際に帽子を取らず、近藤から怒りを表されている。その6日後となる8月12日のオリックス戦では森友哉に死球を与え、帽子を取らないどころか森に近づき睨みつけたことで森が激昂、乱闘のきっかけを作った。
- ジョシュ・ホワイトセル(ARI→ヤクルト→ロッテ→メキシカンリーグ)
打者ではあるがスイング後の後ろに大きく流れるフォロースルーで捕手を破壊する。2日連続で破壊することも。彼がボックスに立つと捕手は後ろに下がる傾向にあったが、あまり下がらない細川には複数回当てている*5。しかし細川自身も走路にマスクを投げ捨てる事が多いためか同情的な声は当時*6でも意外にも少なかった。
球団・カード
- 埼玉西武ライオンズ
毎年与死球が多く投手陣全体が破壊神扱いされており*7「山賊の飛び道具」呼ばわりされる。
2021年7月2日には先発の佐々木健が先頭打者の福田周平に僅か3球で危険球退場*8。NPB先発投手の最速危険球退場記録を更新した。
- 読売ジャイアンツ対ヤクルトスワローズ(1993年~1994年)
1993年、長嶋茂雄が巨人監督に復帰すると、長嶋に対し強い嫉妬心を抱いていた野村克也*9率いるヤクルトとの遺恨対決がしばしば見られた。
1993年5月27日、巨人・大久保博元は盗塁に対して全く無警戒の石井一久・古田敦也バッテリーから盗塁を決めるが*10、その報復として次の打席で高津臣吾から死球を受けて左手首を骨折させられてしまった。
6月8日、巨人・宮本和知が古田に死球を与えると険悪ムードが立ちこもる。そして次打者・広沢克己が二塁打を放ち一塁走者の古田は本塁を狙う際、捕手・吉原孝介へ体当たり気味のスライディングをかますもののタッチアウトとなるが、その際に吉原が古田に対して肘打ちをかましたことで次打者として控えていたジャック・ハウエルが激昂し大乱闘となり、吉原とハウエルが退場処分となった。
9月19日、巨人・橋本清が金森栄治に対して背中を掠める大暴投をするとたちどころに大乱闘となり、中でも堀内恒夫コーチはアイアンクローを食らってメガネを破壊されたりユニフォームを破られたりするなど散々な目にあってしまった。
そして1994年5月11日、ヤクルト・西村龍次が村田真一に死球を与え負傷退場させると、その報復と言わんばかりに木田優夫が西村に死球をぶつける。そして西村がダン・グラッデンに頭部をかすめる危険球を投げると大乱闘となり、その際にグラッデンは捕手・中西親志を殴打し退場処分となった*11。
この試合をきっかけに危険球退場の規定が設けられることとなってからは互いの遺恨は沈静化することとなった。
- 阪神タイガース(2018年~2022年)
藤浪や西以外にも岩貞祐太や青柳晃洋、さらには2021年で引退した岩田稔や中田賢一といった死球祭りになる投手が揃っていた。2018年以降では危険球退場した回数が12球団でも断トツに多かった*12。そして2019年と2020年の開幕3戦目に相手選手を死球で骨折させるなど、破壊神の名に恥じない破壊力を見せておりこちらは「地獄の飛び道具」呼ばわりされる。
2021年は与死球数が12球団最少だったものの、その半分以上が阪神と色々とあったヤクルトに与えたもの*13だったためにイメージは改善されなかった*14。
- 東京ヤクルトスワローズ(2021年~2023年)
2021年以降、与四球については12球団でも好成績に収められているが、慢性的にすっぽ抜け球が多く与死球はリーグ平均以下*15となかなか改善されてはいなかった。また、当時コーチとして在籍していた森岡良介が乱闘要員とされたこともある。
特に2023年は一軍、二軍ともに与死球を量産している上、死球を与えた試合での球団全体の態度も問題視された。この年は広島を除く4チームと死球絡みのトラブルを起こした。
5月20日のDeNA戦では乱闘寸前の騒ぎに発展したほか、9月3日の阪神*16戦では近本光司に死球を与えてしまい、その後の杜撰な対応で岡田彰布監督を激怒させるというトラブルを起こしてしまった(9月23日に高津監督が直接謝罪し、和解した)*17。
上記の通り、この年のヤクルトは死球関連での話題が非常に多かったのだが2023年シーズンの与死球数は63個でセ・リーグ2位である*18。
関連項目
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