どこでもゼル 便利屋68編
魔巣会若頭「どもども、焔揚魔巣会の若頭です。いや~、ヴァーディクターズもそちら様も慌ただしくなってきましたね。自分も色々と忙しい日々を送っていますよ。そんな中でもゼルの姐御はフリーダムに暴れまわっていますから…困った物です。で、今回先生にお電話した理由ですが、ちょっと前に姐御がある組織に喧嘩の依頼をしたみたいなんですよ。何でも暇つぶしに丁度いい相手だから…とか。先生の方も気を付けてくださいね?いつどこで誰が急にいなくなってもおかしくはないのですから…ではでは!」
アル「指定された場所は…ここなのよね?」
ハルカ「はっ、はい!」
カヨコ「『依頼内容はヴァーディクターズの排除。細かい内容は現地で話す。体力仕事になるから武装はしっかりしてくるように』と言われたけれど」
ムツキ「だ~れもいないねぇ~」
アル「も、もしかして…騙されたかしら?」
???「そ~んな事は無いぜェ!」(バッ!
便利屋68「「「「!?」」」」
ゼル「よぉよぉよぉ!元気にしてたか?便利屋シックスティエェ~イトの皆様よぉ!」
アル「え、焔揚ゼルぅ!?」
ハルカ「た、確かにヴァーディクターズですがぁ…」
ムツキ「わ~お。ご本人の登場だ~」
カヨコ「…先日の組員達の御礼参りって所かな?」
ゼル「ま、それもあるがな。最近ちぃ~っとばっかし周りがクソ真面目になってきやがったからよ。ここらで一つ、ふざけたおしておこうと思ってなぁ」
ムツキ「何それ。意味わかんないんだけど」
カヨコ「油断しないで。相手はあの『悪魔』…何を企んでいるのか…」
ゼル「肩ひじ張らずに楽して行こうや。あたしらはてめぇのやりたい事を好きなだけ楽しむ生粋のゲヘナ生なんだぜ?ならその流儀に乗っ取り…楽しんで暴れようじゃねぇの!」(ガシャッ!
ハルカ「!」
ゼル「あたしはただお前らと喧嘩がしたいだけで呼び出した訳。んで、ほれ」(ポイッ!
アル「わわわ!?」(ハシッ!
カヨコ「ちょっと社長。無暗に敵の物を受け取っちゃ…」
ゼル「それ、あたしからの前金」
ハルカ「前金…って、アル様!この金額!?」
アル「ええええええええっ!?何これ!?」
ムツキ「0が6つ…うわ~…かなりの大金だね~」
ゼル「こちとら羽振りは良いもんでね」
カヨコ「喧嘩するためだけにこんな大金を出すとか…意味がわかんない」
ゼル「もしあたしに勝ったら更に金を積んでやる。どうだ?お前らはヴァーディクターズと戦って報酬を得る。なんならそのままこの首を持ってっても構わねぇぜ?あたしは楽しい喧嘩が出来てハッピー。Win-Winだろう?」
カヨコ「(そう言えばコイツ、過去に依頼だと言ってウチに喧嘩を申し込んできたことがあったっけ…)」
ゼル「お前らの実力が高いのはこのあたしがよーく知ってる。だから喧嘩相手にはちょうどいいと思ったんだ。さーて、どーすんだ?『アウトロー』さんよ」
ムツキ「アルちゃーん…どうする?」
アル「フフッ…確かにこの大金は魅力的ね。筋もそれなりに通っているように見える。だけど…」
ゼル「あん?」
アル「私はNOと言わせてもらうわ!」(バンッ!
ゼル「!(ヒュー!)」
アル「いい!便利屋68は『好き』か『嫌い』かで依頼を判断するの!焔揚ゼル…アンタからは私達を下に見ている…そんな気がしていてならないの。だから私はアンタが『嫌い』!私達便利屋68はアンタ如きに安っぽく見られるような仲間達じゃないのよ!」(オカネポイッ!
ハルカ「アル様カッコいいです!」
ムツキ「言うねぇ~」
カヨコ「(多分、内心ヒヤヒヤしてるんだろうけど…)という訳だから…今日の所は大人しく帰ってくれない?再戦は後日って事で」
ゼル「チッ。しゃーねぇな……なら…」
アル「っ!」
ゼル「素直に帰るとすっか!」
アル「あ、あらっ!?」
ムツキ「ありゃりゃ?」
ハルカ「そ、そこは帰るんですね…」
カヨコ「ほんっと。コイツだけは読めないのよね」
???「では、帰るに帰れない状況にしてあげましょう」
便利屋68「「「「!?」」」」
ヴァジュン!!!
アル「散って!」(ババッ!
ゼル「おいおいおいおーい!なーに勝手に手ぇ出してやがんだよ!『アリトゥー』!」
Mk-Ⅱ「焔揚ゼル。貴女こそ何を勝手に遊んでいるのですか」(コツッ…コツッ…コツッ…
ゼル「あたしはこいつらに喧嘩の依頼を申し込みに来たんだよ。で、断られたから帰る訳」
Mk-Ⅱ「マスターからこっそりくすねたお金で依頼しようとしたのでしょう」
ゼル「へへっ。バーレてたかい」
Mk-Ⅱ「当たり前です。マスターは我々ヴァーディクターズの会計責任者でもあります。バレない方がおかしい」
ゼル「チェッ」
Mk-Ⅱ「後でマスターにたっぷり絞られてくださいね。さて…」
アル「!」
ムツキ「うわっ、こっち見た」
Mk-Ⅱ「便利屋68…ここで貴女方を捕縛させていただきます。今は少しでも先生方の戦力を削る盤面…ゲヘナで名の通った貴女方を捕らえたならば、それなりの打撃を与える事が出来るでしょう」
カヨコ「社長!コイツはヴァーディクターズと同時に現れた同じ顔の兵士に似ている…」
ハルカ「つ、つ、つまり……敵…ですか?」
カヨコ「そう…そしてゼルの様子からして、恐らく兵士達の親玉…いや、コピー元と見るべきかな?」
Mk-Ⅱ「鬼方カヨコ…便利屋68随一の分析能力を持っている…いいでしょう。その分析は合っています。ですが、知られた所で貴女方を確実に捕縛するという結末は変わりませんが」
ムツキ「へーっ…腕に自信があるみたいだね~」
Mk-Ⅱ「ええ。私はマスターの完璧で最も優れた兵器ですので」
ハルカ「へ、兵器?」
ムツキ「つまりは君…アンドロイドって事か~。可愛らしいけど…私は嫌いかな?」
Mk-Ⅱ「どう取って貰っても結構です。『EventHorizon:GunMode』起動」(ガシャコン!
アル「う、腕が銃に変化したぁ!?」
バチバチバチバチ…
カヨコ「!?(マズそうな雰囲気!)皆気を付けて!」
ハルカ「あわわわわわ!?」
Mk-Ⅱ「『Vajra』起…「待てよ」(バッ)……邪魔するつもりですか?ゼル」
アル「ゼル…」
ゼル「なーに…まだまだ面白ぇ事になりそうだからよ。そうだろ?『先生』」
カヨコ「先生?」
Mk-Ⅱ「(ハッ!)『Vajra』発射!」(バヂヂヂヂヂヂヂ!
“うわあ!?”
ムツキ「先生!?」
アル「何でここに!?」
???「先生!危ない!」(バッ!
“わわ!?”(ズサッ!
???「このっ!」(ガガガガガ!
Mk-Ⅱ「『EventHorizon:BladeMode』に移行(ジャキンッ!)」
キンキンキンキンキンキンキンキンキンッ!
???「(銃弾を叩き落とすとは!)ちっ!(ピンッ!ポイッ)」
Mk-Ⅱ「(手榴弾程度…)」
ゼル「あらよっと!」(バッ!
Mk-Ⅱ・???「!」
ゼル「目指せバックスクリーンへホームラン!」(カキーンッ!
ドカーーーーーーーーン!
ゼル「ファーッ!」
Mk-Ⅱ「…それはゴルフでしょう」
カヨコ「傘で手榴弾を打ち返すなんて…」
ハルカ「で、でも…先生が来てくれましたよ!」
アル「先生!それと……錠前サオリ!」
サオリ「アル社長…だったな。久しぶりだな」
ムツキ「先生を庇ったそっちの子は誰かな~?」
アツコ「………私の名前は秤アツコ。サッちゃんが以前お世話になったみたいだからお手伝いに来た」
ムツキ「アツコちゃんね~。くふふ~、か~わいい~!」
アル「私達のピンチを察して駆けつけてくれるなんて…流石は便利屋68の経営顧問ね!」
ハルカ「あ、ありがとうございます先生!」
カヨコ「ともかく…これで反撃の狼煙を上げられる」
ムツキ「サオリちゃんにアツコちゃん!二人とも準備は良い?」
サオリ「ああ。援護は任せろ」
アツコ「オッケー👌」
Mk-Ⅱ「アリウススクワッドの二人ですか。それと先生も」
ゼル「なっ?面白れぇ事になってきただろ?」
Mk-Ⅱ「否定はしません。ここで先生を捕縛できればレジスタンスは空中分解します。そしてそこの二人を捕まえればイレニアは涙を流して喜ぶでしょう。この超絶完璧にしてお粗末な王女より強い私に感謝してくれる事間違いなしです」
ゼル「相変わらずのポジティブっぷりだな~。だが気を付けろよ。アイツらは型に嵌る戦いをする奴らじゃねぇ。今までのデータを頼りにすんなよ」
Mk-Ⅱ「言われずともわかっています。焔揚ゼル…暴れますよ」
ゼル「あいよ!………キッヒヒ!これで役者は全員揃った訳だぁ!さあさあさあぁ!アウトロー共による狂ったダンスショーの始まりだぁ!………イッツSHOW TIME!」