あまねく奇跡の始発点
??『……だから先生、どうか、この絆を……私たちのとの思い手過ごしてきたその全ての日々を、どうか……憶えていてください。大切なものは、決して消える事はありません。大丈夫です。ですから、帰りましょう?先生。私たちの、全ての『奇跡』のある場所へ……』
??『それが……理解できないものを通じて、己の理解を得る事ができる方法……』
―――
――
“……”
“………”
“…………”
“はっ!………はぁ……はぁ………い、生きてる……”
手の中が温かい……
“これ…サンちゃんから貰った羽根……ホントに守ってくれたんだ…”
アロナ『せんせ~、ご無事ですか~……!』
“うん。アロナも、ありがとう。守ってくれて”
アロナ『いえ…私一人では……でも、先生が無事でよかったです……』
“サンちゃん、怒るだろうな~……あんなこと言っちゃったし……たはは…”
アロナ『先生……呑気ですね…』
“なんだか気が抜けちゃって……”
??「――せ―――ッ!!」
“ん?……あっ……”
??「せんせ―――――ッ!!!!」
“さ、サンちゃん…”
サン「先生っ!!(ガバッ)」
“わわっ!?さ、サンちゃんっ!?”
サン「よ゛、よ゛か゛った゛…!ま゛た゛…!ま゛た゛い゛き゛て゛お゛あ゛い゛て゛き゛て゛………よ゛か゛っ……よ゛か゛った゛ぁ゛……!」
“……泣かないで、サンちゃん(ヨシヨシ)”
サン「た゛って゛…!……た゛って゛ぇ゛……!!」
“………ごめんね。本当にごめんね、サンちゃん”
サン「あ゛や゛ま゛ら゛な゛い゛て゛……!あ゛や゛ま゛ら゛な゛い゛て゛く゛た゛さ゛い゛っ!!!」
“うん……うん…わかったよ。だから……”
サン「ひっぐっ…!う゛ぅ゛…!!」
“サンちゃんも泣き止んでほしいな……”
サン「は゛い゛……は゛い゛……(グスッ)」
“…………あっ…”
モモカ「お~い!せ~んせ―――!!!」
“モモカっ!みんなぁ!!”
モモカ「せんs……うぇっ!?」
“???”
リン「どうしたんですか?モモカ……」
アユム「あっ、サン先輩っ!」
ユウカ「せんせーっ!無事だったんですね!」
モモカ「ちょちょちょっと待ってみんな!よく見てよ!!」
アヤネ「はい?」
モモカ「先生素っ裸だよぉっ!!」
一同「「「「え???」」」」
“???………わ、わぁ…”
サン「~~~~~ッ!!!??」
ユウカ「なっ!?せんせー!副会長に何してたんですか!?」
カヨコ「……はぁ…」
アコ「見ぬ間に副会長に手を出されていたとは……」
“ちょっとまってユウカ!アコ!誤解だよ!”
ハナコ「あらあら♡副会長さんも大胆な方ですね♪」
サン「へっ!?あっいや…!え、えっと……ち、違います!」
ハナコ(ふふっ♪コハルちゃんと一緒で、いい反応をしてくれますね♡)
アヤネ「せ、せんせ~……」
“待ってってみんな!誤解!!誤解なんだよ!!!”
ヒマリ「ちょ、ちょっとお待ちください先生!は、裸で詰め寄らないでいただけますと……!」
“ど、どうしたらいいのさ~…!”
カヨコ「はぁ……代行、そのコート、先生に羽織らせてあげたら?」
リン「そ、そうですね……先生、ひとまずこちらで…!」
“あ、ありがとう、リンちゃん……”
リン「誰が『リンちゃん』ですか」
アユム「と、とにかく…シャーレに戻りましょう!……先生の着替えを確保するためにも…!」
モモカ「そ、そうだね!早く戻ろう!」
“うん”
サン「リン君、やっと全て終わりましたね」
リン「はい。ようやくです……」
サン「ですが、ゆっくりとはしていられません」
リン「そうですね。破壊されたサンクトゥムタワーの再建及び機能の移管。その他にも、やるべき事は山積みです」
サン「一つ一つ、確実に進めていきましょう。大丈夫です、また立て直せますよ」
リン「………ですね」
―――――
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―――
――
―サンの孤児院―
ゼル「いってて……やっぱあのバルバラとかいうやつかなり強かったなァ……アタン、もうちっと優しく包帯巻いてくれや」
アタン「文句言わないでください。自分でやりますか?」
ゼル「悪かったって!拗ねンなよ」
アタン「す、拗ねてません!」
サン「………ゼル君…」
ゼル「ア?……ンだよ」
サン「真面目にやってくださいと、そう言いませんでしたか?」
ゼル「知らね~なァ、記憶にねェわ。へへっ♪」
歪な角のゲヘナ生徒「ご、ごめんなさい。ゼル姐さん全然止まってくれなくて……きゃう!?(ワシャワシャ)」
ゼル「な~にオメェが謝ってんだよwあたしの独断だろうがよ!」
尻尾の長いゲヘナ生徒「でもアタンちゃんから姉御のお目付け役頼まれてたのに……(モチモチ)」
アタン「もちもりしないでくださいません?」
尻尾の長いゲヘナ生徒「ヤダ」
アタン「………」
ゼル「楽しかったんだからいいだろォ?なぁ?」
ゲヘナ生徒二人「「うん」」
サン「………はぁ……三人とも、お説教です」
三人「「「う゛っ…」」」
ゼル「きょ、協力したんだからチャラにするって約束だろ~?」
サン「真面目にやってくださいと言いましたよ、私は。それと、真面目にやらなかった事について説教するのではなく……」
三人「「「???」」」
サン「無茶をしてケガをして帰ってきた事について、説教するんです」
ゼル「一番メンドーで長くなるやつじゃねェか!おい、逃げるぞっ!!(ダッ)」
歪な角のゲヘナ生徒「へっあっ!?ま、待ってください姐さんっ!!(ダッ)」
尻尾の長いゲヘナ生徒「………(タッタッタッタッ…)」
アタン「えっちょまっ!?お、下ろしてくださいませんっ!!?」
サン「ベル、追いかけますよ」
ベル「はい!サン様っ!!」
サン「マモ君、貴女のワンちゃんを二機貸してください」
マモ『一機先の戦闘で故障中だ。Mk-Ⅱを送る』
Mk-Ⅱ『超優秀で完璧で究極のマスターの道具たるMk-Ⅱが、天降(あもる)サンをお手伝い致します』
サン「わかりました。アリトゥー君はゼル君をお願いします。多少はケガが増えてもいいですから」
Mk-Ⅱ「了解」
ガシャンガシャンガシャン…
L.A.W.S_TypeW1「………」
サン「二人は優しく捕獲します。いいですか?」
ベル「はいっ!」
L.A.W.S_TypeW1「ガゥッ!!」
サン「………ふふっ♪」
ベル「~~~っ!!」
Mk-Ⅱ『天降サンより『楽しい』を検知。何だかんだ言っても、天降サンはこの『鬼ごっこ』を愉しんでいます』
サン「よ、余計な事言わないでください///……ベルも!目を輝かせないでください!!」
ベル「えへへっ♪」
サン「もぅ……」