アタンVSナギサ
ナギサ「ティーパーティーとして現場復帰の門出です。皆さん、今は優雅さを忘れ、猛々しくヴァーディクターズへの反攻を始めましょう」
ティーパーティーモブＡ「了解しましたナギサ様！」
ティーパーティーモブＢ「皆さん！聞こえましたね！私達が反撃の狼煙を上げるのです！」
ティーパーティーモブ達「「「「「ははっ！」」」」」
ナギサ「（これで一先ずはトリニティ全体でヴァーディクターズに対抗する体裁ができました。今は先生達がミカさん達を救い、解放する事を祈るばかり。頼みましたよ、先生…）」
ヴァディモブＡ「報告！桐藤ナギサが解放され、トリニティ内で反攻作戦を開始した模様！」
ヴァディチーフ「！？それは…本当ですか！？」
ヴァディモブＡ「間違いないかと！」
ヴァディチーフ「何たることを…アタン様！」
アタン「…これは囮ですね」
ヴァディチーフ「囮ですか？」
アタン「ええ。ティーパーティーのナギサが解放され、彼女が先導してトリニティ全員が立ち上がるために奮起しているように見えていますが、これは囮。実際の所はもっと大きな戦力を解放させるために先生達と協力していると見るべきでしょう。そして先生達にその結果を委ねている…といった所ですか」
ヴァディチーフ「大きな戦力………恐らく聖園ミカですね」
アタン「その通り。なので聖園ミカの方に防衛戦力を回したい所ですが、ナギサの求心力とカリスマが侮れないのもまた事実。それに百合園セイアも解放される可能性があると考えると、少々厄介ですね」
ヴァディチーフ「どうされますか？」
アタン「（我々の目的は時間稼ぎ…ならばここで取るべき策は）ここはあたしがナギサと相対しに行きましょう。確実に反攻の目をへし折ってやります。そしてミカへの防衛戦力にはヴァーディクターズのみで対処に当たります。ただし、防衛部隊にはこう言い含めておいてください。『突破される程度の余裕を持って対処せよ』と」
ヴァディモブＡ「と、突破されてもよろしいのですか！？」
アタン「別に構いません。まずは生存第一です。相手が先生である事を考えると確実に突破されると考えた方が良いでしょう。それに…上手くいけばミカの特別牢があるフロアに設置してある罠で一網打尽にできるでしょうし…」
ヴァディチーフ「成程！」
アタン「監視の役目をしているアリウスの生徒に連絡。『オペレーション：ヒュプノス』の準備を」
ヴァディモブＡ「ハハッ！」（ﾊﾞｯ!
アタン「ヴァディチーフは部隊を率いて各所の鎮圧を。防げ無さそうであれば、相手の戦力を少しでも削る事に専念してください。暫くの間復帰できないくらいに負傷させれば上出来です。ああそれでも、生存は第一ですよ」
ヴァディチーフ「無理をおっしゃりますね～。ですが、了解しました！」（ﾊﾞｯ!
アタン「さてと…久々に元上司の顔を見に行ってあげましょうか。渦巻親衛隊！行きますよ！」
渦巻親衛隊「「「「「了解！」」」」」
アタン「どうも。捕虜引見の時以来ですかね？」
ナギサ「アタンさん…何故…とは言いませんよ。その言葉はとうに聞き飽きているでしょ
う」
アタン「ええ。耳に胼胝ができるくらいには。目的は囚われたトリニティ生の開放、及び学園の奪還といった所でしょうか」
ナギサ「アタンさんならそのくらいお見通しでしょうね。よろしいのですか？折角手に入れた学園が私達の手によって解放されてしまいますよ？」
アタン「その手の挑発には乗りませんよ。策はもう既に十全に発動させてありますし、それが決まらなければ逃げるだけです」
ナギサ「…随分と思い切りがいいのですね。トリニティをあっさり放棄するという選択肢を持っているとは…」
アタン「トリニティの一般市民の皆さんにあたしの治世がどれほど良かったかを思わせる事には成功しましたし、銃器無しでの生活が恋しく思われる文化も根付かせました。我々をトリニティから追い出したとして…市民の方々が納得してくれるでしょうかね？」
ナギサ「………恐ろしい手を考える物ですね…天降サンは」
アタン「いえいえ！これはあたしが考えた一手ですよ。たとえ負けてもトリニティにはあたしの治世の良さが残る……今はそれで満足しておきましょう」
ナギサ「（天降サンへの対抗心はあるようですが…これ以上煽っても効きそうにない。精神的にも成長中…という所でしょうか）………最後に聞きます。私達、フィリウス分派や救護騎士団に戻る気は？」
アタン「ハッ。あるわけないじゃないですか。どうせ戻っても面倒な派閥争いに巻き込まれるだけ。戻った所であたしの席なんざ無いでしょうに」
ナギサ「そうでしたね。では…用兵で勝負いたしましょう。（アタンさんの用兵術は奇襲混じりでもトリニティを陥落せしめた所から考えるととても高い。先生達が戻ってくるまで何とか持ちこたえなければ…しかし、アタンさんのこの焦りの無さ……何かあるのでは？）」
アタン「望む所ですよ！（ここであたしがナギサをまた捕らえれば、先生達はトリニティ解放に画竜点睛を欠く状況に持ってこれる。そしてもし『オペレーション：ヒュプノス』が成功すれば………あたし達の勝ちは確実になる………『真の目的』さえ気づかれなければいいのですから、楽な仕事ですね）」