文化シヤッターがシステム開発の頓挫を巡って日本IBMを提訴した訴訟で、最高裁判所は2025年1月10日付で両社の上告を棄却する決定をした。文化シヤッターが2025年1月14日に発表した。文化シヤッターの提訴から7年超を経て、日本IBMに損害賠償金20億564万9461円の支払いを命じる判決が確定した。
文化シヤッターは「当社にも1割の過失があると判断されたのは残念だ。ただし当社の主張がほぼ認められ、一定の評価はいただいていると考える」とコメントした。日本IBMは「当社の主張が認められなかったのは非常に残念だ」とした。
文化シヤッターは2015年、日本IBMに新販売管理システムの構築を委託したが、開発が頓挫。2017年に約27億4000万円(後に約27億7000万円に増額)の賠償などを求めて日本IBMを提訴した。日本IBMは追加作業の未払い金など約12億1000万円の支払いを求めて反訴した。
東京地方裁判所は2022年、日本IBMの反訴請求を棄却し、約19億8000万円の支払いを命じる一審判決を下した。文化シヤッターが仕様変更要求を繰り返した分の過失相殺も認めたが、過失割合は日本IBMが85%とした。その後、東京高等裁判所は2024年の二審判決で日本IBMの過失割合を90%に引き上げ、賠償額を増額した。
システム開発訴訟に詳しい弁護士によると、システム開発訴訟裁判において最高裁が判決を下したことはなく、上告を棄却したのは一般的な判断だという。