【交流戦総括】パ・リーグが15年ぶり上位独占、セ・リーグの敗因は? 12球団の激戦を振り返る
優勝は福岡ソフトバンクで、6年ぶり9度目の頂点に輝いた。本稿では、各球団が今年の交流戦をどう戦ったのか、具体的な出来事なども振り返りながら綴っていきたい(データは6月23日時点)。
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福岡ソフトバンク:12勝5敗1分
ポイントとなったのは最終週の中盤。19日の広島との第3戦(マツダ)は、9回に一挙7点を挙げるなど16−2の大勝。翌20日の阪神戦(甲子園)では代打・石塚綜一郎の値千金の一打で延長戦を制し、Vに大きく前進した。
選手に目を向けると、リバン・モイネロが交流戦(18試合制)新記録となる37奪三振をマーク。6日のヤクルト戦(神宮)では8回無失点18奪三振のスーパーピッチングを見せた。野手では柳町達が打率.397で首位打者。5月に巨人から加入した秋広優人は、DeNA戦で3日連続のお立ち台に上がり、存在感を示した。
北海道日本ハム:11勝7敗
ポイントとなったのは15日の広島戦(エスコン)。6回表終了時点で0-7と敗色濃厚な展開だったが、水谷瞬のソロを号砲に反撃。8回に4点を挙げ2点差に迫ると、9回は2死からフランミル・レイエスが起死回生の同点タイムリー。こうなると勢いは止まらず、10回に先頭打者の田宮裕涼が右中間へサヨナラ本塁打。ミラクル勝利を演出した。
全体を通して先発投手陣の活躍が目覚ましく、加藤貴之が12球団ただひとりの3戦3勝をマーク。北山亘基は19日の巨人戦で9回1死までノーヒットノーランの快投。エース・伊藤大海は20日の中日戦で1-0の完封勝利を挙げている。
オリックス:11勝7敗
印象的なゲームといえば、15日の巨人戦。この日は大阪桐蔭高のブラスバンドが来場してスタンドを盛り上げる中、同校OBの森友哉が決勝点を叩き出すタイムリー。お立ち台では始球式を担当した、希少がんを患う高校時代の同級生を想い、涙を流した。
個人記録では、守護神のアンドレス・マチャドが最多タイの7セーブ。西川龍馬が打率.328、11打点と打線をけん引した。また、岩嵜翔が20日のヤクルト戦で移籍後初勝利。今季は中日所属時の4月1日にも「ソフトバンクからの移籍後初勝利」を達成しており、「同一シーズンに2度の移籍後初勝利」という珍しい記録が生まれた。
埼玉西武:10勝8敗
序盤の5〜8日に4連敗を喫したものの、翌週は5勝1敗と巻き返しに成功。10〜12日に本拠地で行われた阪神戦では3戦連続逆転勝ちを収め、特に11日は9回2点ビハインドから逆転サヨナラ勝利。源田壮亮が同点打、炭谷銀仁朗がサヨナラ打とベテランがチームを救った。
投手陣はエース・今井達也のパフォーマンスが出色。17日のDeNA戦(横浜)では、松坂大輔を超える球団新記録の17奪三振で今季初完封勝利。相手先発のトレバー・バウアーのお株を奪う「ソードセレブレーション」も披露し、話題を呼んだ。野手では滝澤夏央が二遊間のスタメンに定着。164センチと小柄ながら、守備範囲の広さとしぶとい打撃を武器にポジションをつかんでいる。
東北楽天:9勝8敗1分
期間中は40歳のベテラン右腕・岸孝之が奮闘。12日の中日戦で7回3安打無失点の快投を見せ、チームの連敗ストップに貢献。試合後のお立ち台に上がった岸は「こんなもんじゃないぞ、イーグルス」とファンに向けてコメント。チームの士気を高める言動が快進撃に繋がった。
なお、岸は19日のヤクルト戦でも7回無失点の好投で勝利投手に。交流戦2戦2勝、計14イニング無失点と抜群の成績を残した。
千葉ロッテ:9勝8敗(残り1試合)
本拠地で6勝2敗の好成績を出せたことが「5割以上」の要因だろう。サヨナラ勝ちが3回と多かったのも特徴で、特に13日と15日のヤクルト戦では同一カード2度のサヨナラ勝利を収め、ともにスコアは「5-4」。13日は相手の暴投、15日は角中勝也の犠飛と、適時打や本塁打ではない決め方にしぶとさを感じる。
期間中にブレークしたのが山本大斗。交流戦から四番に座ると、全体2位タイの5本塁打を記録。豪快な打撃で「ダイナマイト」と呼ばれており、リーグ戦再開後のさらなる爆発を期待したい。
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