
Spencer Elden - Nirvana / Nevermind
ニルヴァーナ(Nirvana)『Nevermind』のアルバム・カヴァーに赤ちゃんの頃の写真が使われた男性スペンサー・エルデンが、ニルヴァーナなどを相手取って起こしていた児童ポルノ訴訟。米ビルボード誌によると、連邦裁判所の判事は米国時間9月30日、「児童ポルノではない」との判断を下し、再びこの訴えを却下しました。
現在30代のエルデンは、このカヴァー画像は本人の同意なしに撮影・使用されたもので、この写真は、未成年者の性的イメージを表現したことで連邦児童ポルノ法に違反すると主張して、バンドメンバーらに児童ポルノと性的搾取の疑いで損害賠償を求めていました。
しかし連邦裁判所のフェルナンド・M・オルギン判事は、この写真は「児童ポルノではない」との判決を下し、この写真は連邦法上の違法コンテンツの定義に全く該当しないと明言しています。
判事は「ポーズ、焦点、設定、そして全体的な文脈のいずれも、アルバムカヴァーが性的に露骨な行為を描写しているとは示唆されない。この画像は――最も類似しているのは裸の子供が入浴している家族写真である――児童ポルノの認定を裏付けるには明らかに不十分である」と述べています。
2021年に始まった訴訟は、2022年9月にカリフォルニア州の連邦地裁がこの訴えを却下しました。この時の理由は、エルデンが訴えた時には時効を大幅に超過していたためでした。しかし、エルデンはこれを不服として控訴し、控訴裁判所は2023年、「時効を理由に認めたのは誤りである」とし、地裁の判決を覆し、訴訟を復活させて審理を差し戻しました。
それから2年後の今年2025年、連邦裁判所のオルギン判事は再びこの訴えを却下しました。判事は写真に裸の子供が明確に写っていることを認めつつも、法に抵触する性的刺激を伴う、わいせつな写真には該当しないと判断しました。
判事はまた、エルデン自身が写真を再現したり、サイン入り記念品を販売したり、さらには自らを「ニルヴァーナ・ベイビー」と呼んだりするなど、エルデンが長年にわたってその写真を支持しているかのように見えたのはなぜかという点にも疑問を呈しました。
「原告は長年にわたり、アルバムカヴァーに登場していることを受け入れ、そこから経済的利益を得てきた。原告がアルバムカヴァーが児童ポルノに該当し、その結果、深刻な損害を被ったとする主張と、彼がアルバムに関して長年にわたり行ってきた行動は整合性が取れない」
エルデンの弁護士は判決を不服として再び控訴することができます。そのため解決には、まだ数年を要する可能性があります。