「体験格差」で大学入試などで富裕層に有利に働くという指摘も(写真は中国・重慶の科学博物館) Oriental Image/REUTERS <大学入試の総合選抜などで富裕層に有利になるという指摘もあるが、もうそうだとしたらそれ自体が問題> ここ数年、「体験格差」という言葉を耳にすることが多くなりました。経済格差が広がるなかで、テーマパークやコンサートに行ったり、キャンプなどの自然体験をしたりする機会が、富裕層の子どもに限られるという問題がまずあります。こうした格差、経験の格差というのは確かに良いことではありません。公的な助成やスポンサーによる援助、あるいは一定の基準での価格の割引や無償化というような配慮があってもいいと思います。 ですが、「体験格差」が問題になるのは実はそれだけではありません。大学などの入試でペーパー試験の一発勝負が減り、体験履歴などを評価する総合選抜が増えるにつれて、どうし