大麻に含まれる幻覚成分を人工的に抽出、精製した濃縮物の摘発が急増している。東京地裁では22日、大麻濃縮物の一つで、電子たばこのように気化させて吸う「大麻リキッド」を所持したとして、男に有罪判決が出た。幻覚作用が極めて強い大麻濃縮物の蔓延(まんえん)に、専門家らは警鐘を鳴らしている。 大麻取締法違反罪で懲役3年執行猶予5年の判決を受けたのは、ラッパーでタレント活動をしていた男(44)。判決などによると、1月15日、東京都目黒区内の自宅マンションで、真空パックされた乾燥大麻計約545グラムや大麻の幻覚成分を濃縮した「リキッド」約14グラムなどを所持した。リキッドは、電子たばこに取り付けるカートリッジタイプで、幻覚成分は約60%という高濃度だった。自宅からは、複数の電子パイプも見つかっていた。 関東信越厚生局麻薬取締部は2016年5月、大麻の幻覚成分を抽出した濃縮物のひとつである「大麻ワックス」