国内の大手損害保険各社が、中国での反日デモの暴動による工場や店舗の損害を補償する保険契約の新規引き受けを停止している。 暴動が今後も続いた場合、保険金の支払いが膨らみ、損保会社の業績に悪影響を及ぼす恐れがあるためだ。引き受けの再開には数か月かかる見込みで、日本企業の中国ビジネスに影響が出る可能性がある。 通常、工場や商業施設などにかける火災保険では、ストライキや暴動による損害は補償されない。だが、「SRCC」と呼ばれる特約を付けると、今回の反日デモによる建物などの被害や、休業で失った利益が補償される。東京海上日動火災保険や損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険などの大手損保は、中国の日系企業向けに販売する火災保険のほとんどにこの特約を付けている。 しかし、反日デモによる被害が今後も相次いだ場合、損保会社の保険金支払いが増え続けてしまう。このため、各社は「今後のリスクを見極める必要がある」(