世界の「変調」「金融緩和オリンピック」 「政局化」は継続 先月の当コラムで筆者は、9月以降のストーリーラインを3つのポイント、すなわち、①「世界経済の変調」、②「金融緩和オリンピック」、そして、③「世界の政局化」とした。 この1ヵ月を振り返り、その潮流は足もとでも着実に続いている。 確かに、「金融緩和オリンピック」の結果、世界の金融市場は安心感を取り戻し、株価の戻しも見られた。しかし、実物経済については、製造業を通じた輸出連鎖が着実に経済の収縮を強める「恐慌」的な状況が続いている。 しかも、世界中が「政局化」するなか、一時的であれ、世界的に「決められない政治」状況になってしまっている。こうした状況は、1930年代の世界大恐慌の環境に類似する不安を持つ。 バランスシート調整のなか、財政緊縮により「変調」がより強まり、取り巻く環境要因については、1930年代の世界大恐慌の足音が聞こえるような状