ある母集団 が累積分布関数 に従っているとし,この母集団 から抽出された 個の標本を (1) とする.このとき, (2) で定義される関数 を,経験分布関数(empirical distribution function)という.ただし, は指示関数(indicator function) (3) である.□ 標本と順序統計量 本節では,経験分布関数のグラフを描く準備として,標本と順序統計量の概念を簡単に紹介する. 標本 ある母集団(population) の分布が,確率分布 で記述されるものとする. 推計統計学(inferential statistics)において,この母集団 に対する標本(sample)は,確率分布 に従う確率変数 で表される.さらに, 個の標本は, の独立同一分布(iid; independent and identically distributed)に従う 個の