今年のNHK大河ドラマ『べらぼう』はどう評価すればいいのか。ドラマに寂蓮という尼僧役で出演した作家の岩井志麻子さんは「私の出番は1分に満たず、台詞なし。そんな端役に対しても制作陣の熱量はすごかった。作品の評価が高いのも頷ける」という――。 まさか私に『べらぼう』の出演オファーが来るなんて 今年のNHK大河ドラマは江戸時代の吉原を舞台に、後に江戸のメディア王などと呼ばれる蔦重こと蔦谷重三郎を主役に据えた『べらぼう』だ。 ご存じのように昔の吉原は幕府公認の遊郭であり、今もソープランドが並んでいるため、やっぱり今現在もあの辺りは吉原と呼ばれ続けている。 『べらぼう』放映前は、もちろんソープに関係ない住人もたくさんいるが、だいたいはソープ嬢とその客、店のスタッフが目立つ地帯だった。 江戸の吉原は、貧しさゆえ親に売られて来た女達が過酷な身売りをさせられ、若死にする女も多かったという負の歴史、陰惨な過