ミュンヘンの博物館に展示されているブルーノの剝製(2023年) JACQUELINE MELCHERーDPAーREUTERS <日本ではクマ問題が続くと「おいしい」人々がいる...一方、ドイツで凶悪なクマ「ブルーノ」が出現したとき、社会はどう対応したか?> 昨今、日本の世情(特にネット世論)は「外国人問題」と「熊害問題」で沸騰している。ちなみに熊害は「ゆうがい」と読むそうで、日本語変換ソフトでなかなか出てこないのがポイントだ。 それはそうと、この両問題を扱うネット言説で共通して目立つのは「危険で有害な異物の侵入を何とか食い止めねば」という主目的よりも、「危険で有害な異物を擁護する『意識高い系』のヤツらを徹底的にぶちのめしてやりたい!」という欲求が、ウラ動機として強力に機能している点だ。 事態が長期化していながら「見解」「対処」がなかなか落ち着かない理由の1つがこれだろう。特にポピュリスト的