鬱になると、生きることにさえ無関心になってしまうから厄介です。食べることは生きること。多くの人にとって、鬱症状の最初の被害が食生活に及ぶのはうなずけます。 食欲は感情に大きく左右されます。ですから、精神疾患を持つ人にとって、食事は常に悩みの種。鬱は食べる能力に影響を及ぼすので、鬱そのもの以外にも大きな問題を引き起こすことになるのです。神経性大食症や拒食症、過食性障害、回避・制限性食物摂取症(ARFID)などの摂食障害は、鬱や不安障害と併発するケースがほとんどです。人格障害、学習障害、慢性疾患、薬物およびアルコール依存症なども同様です。基本的に、人生の操縦が困難な状況に陥ると、食べ物との関係にも影響が現れると考えてよさそうです。 最近では、多くの有名シェフが、依存症や精神疾患に苦しんでいることをフランクに議論するようになりました。これはいいことだと思います。プロの厨房は、身体的・精神的虐待、