【ワシントン=飛田臨太郎】ヘグセス米国防長官が6日に演説し、日本などの同盟国は数年以内に国内総生産(GDP)比で5%まで国防費を引き上げる目標を導入するよう求めた。5%は関連支出を含めたベースで、現行基準であれば3・5%となる。「役割を果たさない同盟国は(厳しい)結果に直面することになる」と警告した。北大西洋条約機構(NATO)は6月に現行基準の防衛費を3.5%とインフラなどの関連支出1.5%
S&P500神話の終わる時 ~インデックス投資バブルの形成過程と、AI投資がもたらす株式市場のレジームチェンジ~ 1.実体経済とは別物になった米国株式市場 1990年代の米国株の時価総額上位は、エクソンモービル(石油)、AT&T(通信)、ウォルマート(小売)、ゼネラル・エレクトリック(電気機器)、メルク(製薬)、コカコーラ(食品)、シティグループ(銀行)といった銘柄で構成されていた。 2025年現在の時価総額上位は、Nvidia、マイクロソフト、アップル、アマゾン、メタ、ブロードコム、アルファベット(Google)、テスラなどで、ネットやITサービス、半導体などのテックカンパニーに大きく偏っている。 首位のNvidiaが4.3兆ドル、2位マイクロソフトと3位アップルが3兆ドル後半の時価総額を付けているのに対して、10位のJPモルガン、11位のウォルマートが0.8兆ドル、15位のビザ、18位
最近、米国の低信用「サブプライム(信用力が低い個人)等級」の中堅・中小企業に私募ファンド運用会社が融資するハイリスクの「私募融資市場」で破産・不良の事態が相次いでいる。2008年の金融危機前と似たような危険信号の兆しが見えるという評価も出るなど、尋常でない不良恐怖に信用リスクへの警告音が鳴っている。 10月22日、米国のサブプライム自動車担保への融資を行うプライマレンド・キャピタルがテキサス北部連邦破産裁判所に破産保護手続きを申請した。プライマレンドは、低信用者を対象に自動車担保融資サービスを行ってきた中堅企業だ。信用等級が低い消費者に車を販売しながら高金利のローンを併せて提供してきたが、借主が高利の自動車分割払い金を払いきれず延滞が増え、破産につながったと分析されている。 これに先立ち、9月にも同様のサブプライム自動車ローン会社のトライカラーが破産手続きに入った。トライカラーに続き、自動
【10月1日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は9月30日、軍幹部を集めた異例の会合で、米国は「内からの戦争」に直面していると述べ、米国の都市を軍の「訓練場」として活用することを提案した。 トランプ氏は世界中から招集された将軍や提督数百人に対し、民主党が支配する都市への取り締まりにおいて、より大きな役割を果たすよう呼び掛けた。 軍幹部らは、ピート・ヘグセス国防長官から別の課題についても警告を受けた。へグセス氏は「太った将軍」を排除し、数十年にわたる腐敗を正すと表明した。 トランプ氏は首都ワシントン近郊のクアンティコにある軍施設で巨大な米国旗を背景に、「ピートには、これらの危険な都市のいくつかを軍の訓練場として活用すべきだと伝えた」と述べた。 さらに、「われわれはこれらの都市を一つずつ正していく。この部屋にいる一部の人々にとって、これは重要な部分となるだろう。これも戦争だ。内からの戦争だ」
(CNN) ロシアのドローン(無人機)がポーランドへ侵入したことをめぐり、トランプ米大統領は10日、ややとまどいを見せながら反応した。北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるポーランドは、ロシアとの緊張が高まる中、トランプ氏が以前から守ることを約束してきた国だ。 トランプ氏は自身のSNSで「ロシアがドローンでポーランドの領空を侵犯するとはどういうことだ?」と問い掛け、「さあ、やるぞ」とつづった。 今回の事案は、トランプ氏が終結を模索してきたウクライナ紛争を著しく激化させるものだった。アラスカで開かれたロシアのプーチン大統領との会談から26日が経過したが、戦争終結に向けた進展はほとんど見られない。 トランプ氏は10日、ポーランドのナブロツキ大統領と協議した。ナブロツキ氏のSNS投稿によると「協議は同盟国の結束を確認するものだった」。 協議に先立ち、ポーランド当局者はCNNに対し、ナブロツキ氏
(CNN) 米アーカンソー州ロノーク郡に住むアーロン・スペンサーさん(37)は、娘のチワワの狂ったような鳴き声で目が覚めた。14歳の娘の寝室を確認すると、パーカーのフードをかぶってぐっすり眠っているようだった。 しかし、よく見ると、フードをかぶっていたのはぬいぐるみだった。娘は消えていた。 家族は神経をとがらせていた。3カ月前、当時13歳だった娘は、家族の友人宅で出会った67歳の男に性的虐待を受けたと告白した。加害者とされるマイケル・フォスラー容疑者は児童へのネットストーカー行為や性的暴行など数十件の容疑で逮捕されたものの保釈されていた。 そして、昨年10月8日の夜半過ぎ、娘は姿を消した。スペンサーさんは車に飛び乗り、自宅周辺の路上を探し始めた。妻のヘザー・スペンサーさんは911番に通報し、親戚には娘が一緒にいないか確認した。 スペンサーさんは町から東へ約16キロの夜道で、娘を助手席に乗せ
クック米連邦準備制度理事会(FRB)理事の弁護士は26日、トランプ米大統領にクック理事を解任する権限はないと主張。「書簡1通だけを根拠にクック氏を解任しようとする試みは、事実的にも法的にも根拠がない。違法な行為として訴訟を提起する」と表明した。 クック氏の弁護士アビー・ローウェル氏は先に、トランプ氏の「違法行為」を「阻止するために必要なあらゆる手段」を講じるとしていた。 クック氏はローウェル氏を通じて公表した声明で、「トランプ大統領は『正当な理由』があるとして私を解任しようとしているが、法的な理由は存在せず、トランプ氏にはその権限もない」と指摘。「私は辞任しない。2022年から続けてきたように、米国経済を支える職務を引き続き果たしていくつもりだ」と述べた。 関連記事:クックFRB理事の弁護士、解任通知に抗議し訴訟を提起へ
米メディアは22日、連邦捜査局(FBI)が首都ワシントン郊外にあるボルトン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の自宅を捜索したと一斉に報じた。ボルトン氏はトランプ政権1期目で大統領補佐官を務めたが北朝鮮やイランを巡る意見対立を理由に2019年9月に解任され、その後はトランプ大統領の外交を批判するようになった。 米紙ワシントン・ポストなどによると、ボルトン氏は不法に機密情報を扱った疑いが持たれている。トランプ氏の2期目就任後、過去に対立した元政権幹部らに対するFBIの捜査が相次いでおり、同紙は「トランプ氏が政敵を狙った最新の事例」と指摘している。 FBIのパテル長官は22日、X(ツイッター)に「法の上に立つ者はいない。FBIは任務に着手している」と投稿した。 国務次官や国連大使などを歴任したボルトン氏は18年4月にトランプ政権1期目で大統領補佐官に就任。政権離脱後は著書や公の場でトランプ氏
トランプ政権は、経済的手段によって世界のビジネス環境を再構築しようと、法の限界を何度も押し広げてきた。人工知能(AI)半導体大手の米エヌビディア、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)と、米政府との新たな合意に、通商の専門家らは警戒感を強めている。 ブルームバーグは11日、エヌビディアとAMDが、中国向けの一部半導体販売による収益の15%を米政府に支払うことに合意したと報じた。対象となるのはエヌビディアのAIアクセラレータ「H20」と、AMDの「MI308」だ。 関連記事:エヌビディアとAMD、米政府に中国売上高の15%支払いへ (1) 元米国通商交渉官で、現在はシンガポールのユソフ・イシャク研究所(ISEAS)所属のスティーブン・オルソン氏は「『異例』とか『前例のないこと』といった表現では控えめすぎる」と衝撃を語った。同氏は「いま目にしているのは、米国の通商政策が事実上『収益化』さ
「最も効率的で、一番うまくいくのは王制だ。それが、私たちの時代に最適なガバナンスの形だと思う」 こう話すのは、「テックライトの教祖」とも呼ばれるシリコンバレーの思想家、カーティス・ヤービン氏です。 イーロン・マスク氏やバンス副大統領など、「テクノロジー」と「右派」を合わせた「テックライト」と呼ばれる人たちが存在感を増すアメリカ。 その先鋭的な考え方に強い危機感が広がっている「テックライト」の思想に迫ります。 (社会番組部シニアディレクター 岡田朋敏/政経・国際番組部チーフ・プロデューサー 青木康祐) 「テックライトの教祖」ヤービン氏とは NHKの単独インタビューに応じたシリコンバレーの思想家、カーティス・ヤービン氏。バンス副大統領の友人であり、マスク氏が新党立ち上げに当たって会談したとされる人物です。 暗黒啓蒙と呼ばれる右派の思想を代表する論客で、官僚制度をすべて撤廃すべきだと主張していま
【ワシントン=八十島綾平】米相互関税の負担軽減措置を巡り赤沢亮正経済財政・再生相は7日、米政府が相互関税の大統領令を修正し、日本を措置対象に加えることを約束したと明らかにした。米国が徴収しすぎた分の関税は7日に遡って還付する。米政府は修正と同じ時期に、自動車関税を下げるための大統領令も出すとの見通しを示した。7日のワシントンでの記者会見で明らかにした。訪米中の赤沢氏は6日にラトニック米商務長官
[ワシントン 6日 ロイター] - トランプ米大統領は6日、米国に輸入される半導体に約100%の関税を課すと表明した。輸入される全ての半導体に適用されるが、米国内での生産を約束した企業には適用されないとした。 「米国に輸入される全ての半導体やチップに100%の関税を課す」とホワイトハウスで記者団に述べたが、米国での生産を約束した企業や、米国内生産に向けて取り組んでいる企業には課されないと説明した。
「つまり半導体チップや半導体には約100%の関税を課すことになる。ただ、米国内で生産しているのであれば、課税はされない」と繰り返した上で、「たとえまだ生産を開始していなくても、大規模な雇用や施設の建設といった意味で建設中であれば、課税はしない」と説明した。 トランプ氏は5日、CNBCとのインタビューで、半導体と医薬品に対する関税を「向こう1週間程度以内に」発表すると述べていた。 関連記事:トランプ氏、医薬品関税は「250%にする」-半導体も近く発表へ (1) 今回の発表は、アップルおよびクックCEOにとって大きな勝利となる。アップルはこれまで、トランプ政権がエスカレートさせている関税措置の脅威にさらされており、看板製品であるiPhone(アイフォーン)やパソコン(PC)の生産コストが押し上げられる恐れがあった。 トランプ氏が関税措置をさらに強化し、アップルの国際的なサプライチェーン全体にコ
米厚生省は5日、傘下の生物医学先端研究開発局(BARDA)がメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発を段階的に終了すると発表した。写真はワシントンの厚生省本部で4月撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque) [5日 ロイター] - 米厚生省は5日、傘下の生物医学先端研究開発局(BARDA)がメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発を段階的に終了すると発表した。全体で5億ドル近くに上る22件のプロジェクトが影響を受けるという。 ケネディ厚生長官はワクチンに懐疑的な姿勢で知られており、ワクチンや食品、医薬品政策の全面的な見直しを進めている。ケネディ氏はmRNAワクチンの開発を終えていく理由として「新型コロナウイルスやインフルエンザなどの上気道感染症を効果的に予防できない」ことを示すデータが理由だとしたが、科学的証拠は示していない。
Fー150は米国のフルサイズのピックアップトラックを代表する車種。フォードのウェブサイトによると2025年モデルの車幅は約2メートル、全長は最大5.8メートルと日本国内では多くの乗用車用の駐車場には停めにくいサイズのほか、都内の住宅街のような道幅が狭い道路での運転は困難になる。 トランプ氏は7月下旬、日本からの輸入品に一律で課す関税率を15%とすることで合意したと明らかにしたほか、日本が5500億ドル(約81兆円)の対米投資をするとも説明した。日米両国はまた、自動車関税を25%から15%に引き下げるとしたが、文書化はされていない。 CNBCとのインタビューでトランプ氏は日本からの対米投資について、野球選手が契約時に得るボーナスのようなもので、米国が自由に使える資金との認識を示した。「日本から5500億ドルの契約金を得た。これは我々の資金であり、好きなように投資できる資金だ」と語った。 トラ
7月25日、石破茂首相は、米国の関税措置に関する総合対策本部で、関税交渉の合意や各国の動向を踏まえて日本への影響を引き続き十分に分析するよう関係閣僚に指示した。写真は23日撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon) [香港 23日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 何事もどう転ぶかわからない──。これが日米首脳が23日に明らかにした関税交渉の合意からの教訓だ。日本製自動車の輸入関税が15%となったことで、トランプ米大統領は石破茂首相に花を持たせた。ただそれ以外の分野別関税では譲らなかった。これで米国の関税制度はさらに複雑になる。 週末の参院選の敗北で退陣観測が渦巻く中、石破首相は対米貿易黒字国の中で最良のディールをまとめたと宣言した。これまでのところ、それは事実だ。合意によって、日本の関税率はトランプ氏が脅していたより10%ポイント低くなった。先進国で一番乗りで合
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