デンマークにはかつて、アンデルセン童話『マッチ売りの少女』に描かれたような貧しい時代があったことをご存知だろうか? 街頭の片隅で売れ残りのマッチを擦り、凍えそうな体を温めようとして亡くなっていく少女の物語は、19世紀半ばのデンマークにあった現実を象徴的に描いている。飢えと寒さの中で亡くなっていく人々が、当時はたくさんいたのだ。 時は下り、21世紀の今日。GDPこそアメリカやほかのヨーロッパ国には及ばないが、デンマークの民主主義は高く評価され、各種の「幸福度調査」では世界一にも輝いている。 貧しかった北欧の小国、デンマークはいかにして「世界一幸福な国」となったのか? ――まずは、このイェンス・イェンセンさんというお名前、日本人にはとても不思議な感じがしますね。 デンマークでは「ハンス・ハンセン」「ヘンス・ヘンセン」「トマス・トマセン」などのように同じ音が重なる名前は多いんです。僕のファースト