以前、英語で疑問文や否定文を生成するときに肯定文にはなかった do を挿入することを do-support と呼ぶ、ということを書いたが、今でも特に英国では do-support を用いない疑問文が使われているようだ。例えば「冗談抜きでさ、」というようなことを表すのに “I kid you not,” などと言ったりする。 英国文学で語順の倒置が甚だしい作品といえばシェイクスピアだが、彼が多くの作品を記した時代の英語は初期近代英語と呼ばれている。この時代にはドイツ語やフランス語からの文法的・文化的影響を強く受けている最中で、まだ do-support の用法も確立しておらず、語順の倒置で疑問文をつくり、動詞の直後に not を置くことで否定文を作っていた。 現代英語の文法のなかの否定文の生成に関してだけルールを変更することを考える。つまりほぼすべての文法・語彙は現代英語と同じだが、否定文の