「はやぶさ」と「Ikaros」はそれぞれプロジェクト終了の審議に付され、当初の目的を達成すると共にプロジェクト業務を全うしたと認められました。これを持って両チームは解散となります。ご尽力頂いた各方面関係各位、応援いただいた世界中の方々に報告するとともに、お礼を申し上げます。ここまでの成果は後続の宇宙事業に必ずや貢献することでしょう。尚、小惑星サンプルおよびそれを維持管理するキュレーション業務は宇宙科学研究所へ移管されて、今後の科学研究に供されます。
宇宙をのぞきこんだとき、最も深い世界はどう見えるだろうか。 Hubble Ultra Deep Field ちょうど2011年のノーベル物理学賞が『宇宙の加速膨張』になったので、現在観測される宇宙の全体像について簡単に触れてみよう。例えば次のような誤解を聞くが、実際はどうなのだろう。 誤解の例 同じ大きさの物体は遠くにあるほど小さく見える。 100億光年はなれた銀河は、100億年前に100億光年離れた場所にあった。 宇宙は光速で膨張している。 宇宙が2倍になると原子の大きさも2倍になる。 A. 超遠方宇宙の概要 宇宙といえど無限の奈落ではない。夜空を見上げた視線は観測可能な宇宙の果てにつきあたる。超遠方の天体は宇宙の果てに近いほど次の性質を示す。 若い 赤い 時の流れが遅い 大きく見える 暗い A1. 遠い宇宙は若い 遠い宇宙は太古の宇宙だ。遠い宇宙から地球に光が届くのには時間がかかる。遠
最後の飛行に飛び立った米スペースシャトル「ディスカバリー」が26日(日本時間27日)、国際宇宙ステーションへのドッキングに成功し、日本、米国、欧州、ロシアが保有する貨物補給機と有人宇宙船計5機種がステーションに初めて勢ぞろいした。 1月に日本の無人補給機「HTV(愛称こうのとり)」が着いた後、ロシアの同「プログレス」、欧州の同「ATV」が到着。滞在飛行士の帰還用に結合してあるロシアの宇宙船「ソユーズ」2機と合わせ、5機種6機が一堂に会し、宇宙開発の国際協力を象徴するイベントとなった。 シャトルは、エンデバーとアトランティスがそれぞれ最後の飛行をして退役することが決まっており、宇宙機の勢ぞろいは最初で最後となる。(共同)
国際宇宙ステーションのロボットアームにつかまれた「こうのとり」(中央)=27日夜、NASAテレビから 国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ日本の無人補給船「こうのとり(HTV)」2号機が27日夜、ISSに到着した。午後8時40分ごろにISSのロボットアームがHTVをがっちりとつかむと、茨城県の筑波宇宙センターの管制室では歓声が上がり、管制官たちが手をたたき合って喜んだ。28日未明にISSにドッキングする。 HTVはこの日午後5時半ごろ、ISSの後ろ5キロの場所に到着。そこから3時間かけて徐々に近づき、午後8時半ごろにISSの下方、10メートルの場所にぴたりとつけた。 HTVは22日に鹿児島県の種子島からH2Bロケットで打ち上げられた。HTVに積まれた荷物は約5トン。5月から長期滞在する予定の古川聡さんら飛行士の食料や飲料水のほか、実験機器や東南アジア4カ国から託された植物の種な
前の記事 リッター111キロ:独VW社『XL1』の系譜(1) NASAのソーラーセイル衛星、帆の展開に成功(動画) 2011年1月27日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) フィードサイエンス・テクノロジー Lisa Grossman 米航空宇宙局(NASA)は昨年12月11日(米国時間)、太陽光推進実験衛星『NanoSail-D』がソーラーセイル(太陽帆)の展開に失敗したと発表していたが、1月20日、ソーラーセイルの展開が成功し、地球周回軌道を回り始めたことを明らかにした。 ソーラーセイルは太陽風の力を受ける極めて薄いシートで、衛星が星間を移動する推進力として最も期待されている装置だ。 これまでにこの仕組みが実際に成功したのは、日本のソーラーセイル機『IKAROS(イカロス)』(日本語版記事)だけだ。 [NanoSail-Dは2008年にも発射されたが、ロケット
太陽探査機ソーラー・プローブ・プラスの想像図=ジョンズ・ホプキンス大応用物理学研究所提供 【ワシントン=勝田敏彦】太陽に飛び込んで、決死の観測を行う探査機が打ち上げられることになった。太陽にこれほど接近する探査機は例がなく、ギリギリまで観測したデータを地球に送り届けながら、最終的には高熱で蒸発するとみられる。2018年までに打ち上げる米航空宇宙局(NASA)が2日、発表した。 この探査機は「ソーラー・プローブ・プラス」と呼ばれ、太陽表面から約640万キロ(太陽直径の約4.6倍)の上層大気に入る予定。1400度を超える高温と激しい放射線に耐えるため、炭素素材の耐熱材を装備する。 太陽風の成分を分析する装置やコロナを観測するカメラなどを備え、太陽の上層大気が太陽本体より高温である理由などの解明が進むと期待されている。
2010年7月9日[更新] IKAROS、太陽光圧による加速を確認! 6月9日のセイル完全展開後に実施した精密軌道決定により,太陽光圧による光子加速(※1)を確認しました。 太陽光圧による推力は1.12mN(ミリニュートン)(※2)であり,想定通りの光圧を達成していることが確認されました。 これにより,IKAROSは太陽系空間を「ソーラーセイリング!」しており,宇宙ヨットとして予定通りの性能を発揮していることが確認されました. (※1)光子加速とは、太陽の光子の圧力(太陽光圧)により物体が加速されること。 (※2)N(ニュートン)は1キログラムの質量を持つ物体に1メートル毎秒毎秒の加速度を生じさせる力を表す (探査機の推進力を表す)単位。1.12mNは、地球上で0.114gの物体にかかる重力にほぼ等しい。 図1は、6月9日セイル二次展開運用時の、IKAROSの視線方向速度(※3)の実
右と左のサイエンス4 生命の起源に迫るヒント 地球の生きもの なぜL体アミノ酸だけ アミノ酸の分子には「L体(左型)」と「D体(右型)」という二つのタイプがある.分子をつくる成分は同じだが, 立体構造が鏡に映したような関係にあり,重ね合わせることはできない.人工的にアミノ酸を合成すると,通常L体と D体が半々の割合になる.ところが,ヒトも含めた地球の生きものにはL体アミノ酸しかない.なぜL体だけしかないのか―. 生きものを構成する基本的物質であるアミノ酸の謎は,生命誕生の起源の解明にもつながることから盛んに研究が行われ, 次々と画期的な成果が報告されている. 「宇宙では隕石やすい星の表面にアミノ酸のL体とD体が半々の割合で存在していたが,中性子星(中性子でできた超高密度の星) が出す特殊な光『円偏光』を浴びてL体だけになり,約四十億年前の地球に降り注いだ」.米スタンフォード大のW. ボナー
太陽系のそと|銀河系 palmtop version Beyond our solar system: Milky Way galaxy ガラスキューブの中に、銀河系が浮かんでいます。 国立天文台の立体データをもとに、天の川銀河の無数の星々を、レーザーで打ち込みました。 私たちの銀河系を、こんなふうに外から見たことがある人はまだ一人もいない。 そしてこれからも長いこと、こんな眺めの場所に人類が辿り着くことはないでしょう。 以前は地球もそうでした。外から俯瞰的にその姿を見た人は、一人もいなかった。 人類が宇宙からの地球の眺めを目にしたのは、1946年のV2ロケットによる無人撮影がはじめてだそうです。約70年前の話。 ところが、地球全体を描いた世界地図は、その何百年も前から存在している。 MAPPE MONDE Joseph Delisle『The Image of the World』より
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、太陽の光の圧力を帆に受けて飛行する宇宙ヨット「イカロス」の姿勢制御装置が正常に作動したことを、機体の全景写真で確認したと発表した。今後、光の圧力だけで軌道を変える世界初の試験を行い、宇宙ヨットの飛行技術を磨く。 装置は、帆の縁の部分につけられた「液晶デバイス」と呼ばれる薄い膜状。企業の会議室などで使われている、電気を切るとすりガラスのように不透明になる「瞬間調光ガラス」と同じ仕組みだ。通電しないと光が乱反射し、帆の受ける力がその部分だけ弱くなって帆の向きが変わり、進路変更できる。中央の円筒形の本体から放出された2機目の使い捨てカメラで機体を撮影。非通電部分が白く見えることで装置の作動を確認した。 イカロスは5月21日に金星探査機「あかつき」とともに打ち上げられた。現在、地球から約1400万キロ離れた宇宙を金星へ向かって飛行中。
新薬開発の研究にはいろいろな生物材料がつかわれます。その中でも意外なものといえば金魚のウロコ。 実は、金魚のウロコは宇宙にいって新薬開発の基礎研究に活躍していたんです。 現在、地球の周りを周回している国際宇宙ステーション(ISS)。このISSの中にある宇宙実験棟「きぼう」で、魚のウロコをつかった実験が行われていたのです。 金魚のウロコを使って行われていた実験は、「骨祖しょう症」の治療薬の基礎研究。「骨祖しょう症」は高齢者に多い病気で、様々な要因で骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。 この骨粗しょう症では、骨を作る「骨芽細胞」と骨を溶かす「破骨細胞」の働きとのバランスがうまくつりあわず、どんどん骨が溶けていくために骨がもろくなっていきます。 これまでの宇宙飛行士の健康状態の調査から、無重力状態に長く滞在した宇宙飛行士は、宇宙滞在している間に、骨粗しょう症のように骨の量が少なくなるという
Due to the lapse in federal government funding, NASA is not updating this website. We sincerely regret this inconvenience. Among the views of Earth afforded astronauts aboard the International Space Station (ISS), surely one of the most spectacular is of the aurora. These ever-shifting displays of colored ribbons, curtains, rays, and spots are most visible near the North (aurora borealis) and Sout
インフレーション理論では、宇宙は誕生直後の10-36秒後から10-34秒後までの間に、エネルギーの高い真空(偽の真空)から低い真空(現在の真空)に相転移し、この過程で負の圧力を持つ偽の真空のエネルギー密度によって引き起こされた指数関数的な膨張(インフレーション)の時期を経たとする。 この膨張の時間発展は正の宇宙定数を持つド・ジッター宇宙と同様のものである。この急激な膨張の直接の結果として、現在我々から観測可能な宇宙全体は因果関係で結び付いた (causally-connected) 小さな領域から始まったこととなる。この微小な領域の中に存在した量子ゆらぎが宇宙サイズにまで引き伸ばされ、現在の宇宙に存在する構造が成長する種となった。このインフレーションに関与する粒子は一般にインフラトンと呼ばれる。 インフレーションによって、1970年代に指摘されていたビッグバン宇宙論のいくつかの問題点が解決
宇宙開発とビジネスと民主主義(moderntimes) 宇宙開発と社会との関係を分析。 松浦晋也と鹿野 司の“読書ノート”(裳華房) 裳華房メールマガジンでの書評連載。 日経クロステック著者検索 松浦晋也 日経BPの媒体に書いた2003年以降に書いた技術的記事が読めます。全部ではありません。一部は同社のウェブ媒体リニューアルで消えたままになっています。 日経ビジネス電子版・著者ページ 2015年以降に日経ビジネス電子版に書いた記事は、ここから読むことができます。 介護生活敗戦記 2017年に連載した、認知症を発症した母80歳を自宅介護した記録です。現在連載は、NPO法人「となりのかいご」代表の川内潤さんが受け継いでいます。ここから著書「母さん、ごめん。」が生まれました。 松浦晋也の「モビリティビジョン」 2008年から2011年にかけて「Wireless Wire」で行った乗り物に関する連
箱を用意する。 問題を簡単にするため、完全な断熱壁で構成されているとしよう。 箱の中に、熱いガスと冷たいガスを閉じこめてみる。十分な時間が経てば箱の中は熱平衡になって、均一な温度のガスになるだろう。あとは、何億年時間が経っても変化しない。 熱い物と冷たい物が均一の温度になることはあっても、均一の温度の物体が冷たい部分と熱い部分に分かれることは日常世界では経験的に起こらない。 実験その2:銀河系が入るくらい大きな箱で では、箱の大きさを思い切って100万光年ぐらいにしても同じだろうか。 これに既に均一温度になったガスを封入してみる。一見すると箱の中はエントロピー最大で熱的に死んだ世界だ。 前回と同様に、十分な時間をおいてから蓋をあけてみる。さて、そろそろ1億年ぐらい経っただろう。中を覗いてみると、熱いガス塊と希薄で冷たい部分に分かれている。均一な温度と密度のガスから、星や星雲が生まれ一方で広
これからの季節、大いなる正午の直射日光は、それに照らされた鉄路の小石ですらその一つ一つをギラギラと輝かせる。 太陽、この偉大な天体の明るさはさらに一段上の形容詞が必要なほどで、「死と太陽は直視できない」とまでいわれる。うそだと思ったらほんの1分ほど太陽を見てみよう、みごとに目から光をくりぬかれることになる。 それほど激烈な光を放つ太陽ではあるが、その明るさが無限ではない以上、十分な距離をとってしまえば、ずいぶん小さく頼りないものになってしまうだろう。太陽から離れ、果てしない旅路の果て、いずれは太陽の光を肉眼ではもう認められなくなる時がやってくる。 実視6等を限界とすれば、その距離は約50光年だ。 意外と近いと思った人も多いのではないだろうか。高々50光年、宇宙の話題ではまるでご近所のように書かれるが、それは太陽クラスの光がその方角にありながら視界か失せてしまうほどの距離だ。 夜空の深さを探
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成22年5月21日(日本標準時、以下同様)に種子島宇宙センターから打ち上げられたIKAROSの運用において、6月15日に分離カメラ※によって、展開後のセイル全景の撮影に成功しました。 継続して、薄膜太陽電池による発電の状態を計測し、光子圧を用いた加速及びそれによる軌道制御を世界で初めて実証し、ソーラーセイルによる航行技術の獲得を目指します。 ※分離カメラは直径約6cm高さ約6cmの円柱形状で、バネにより本体から放出され、撮影した画像を無線で本体に送ります。一度放出すれば二度と本体に戻ることはありません。分離カメラからの映像は、上段から下段にかけて遠方からの画像となっています。 撮影のイメージについては下記CGを参照下さい。 http://www.jaxa.jp/countdown/f17/overview/ikaros_j.html
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