お酒を飲んで楽しくなる理由を、脳内物質と脳のはたらきに焦点を当ててご紹介します。酔いの正体に迫ってみましょう。 アルコールがもたらす「楽しさ」の秘密 お酒を飲むと、ふんわり気持ちが軽くなって、それまでの疲れやストレスに凝り固まった心もほぐれていく…。多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。ときには、普段怖い顔ばかりしている人が意外に陽気で話し好きに変身することもあります。 これまでは、アルコールがこうした楽しさを導き出すのは、アルコールによって脳がマヒしてしまうからだと捉えられていました。しかし、現在はもう少し違ったアルコールの作用がわかってきています。 アルコールを飲んで楽しい気分になる理由、それは脳内で楽しさや心地よさといった感情を生み出す「ドーパミン」という神経伝達物質の分泌が促されるため。ドーパミンは、何か興味のあることをしているときなど「楽しい」と感じるときに分泌される