本稿は、共同通信社の配信記事をきっかけとした小説『青の純度』の「参考図書不記載」をめぐる騒動を受け、作品の創作過程について、著者の篠田節子さんが自ら読者のみなさまにご説明するものです。 ※去る10月30日に共同通信社にお渡ししましたが、全文は掲載・配信されなかったため、編集部から改めて、全文を公開いたします(文芸ステーションに掲載するにあたり、一部加筆修正されております)。 この秋、自著『青の純度』の新聞書評に端を発した風評被害の当事者となった。 デビュー以来、三十五年間、ベストセラーには無縁ながらも、本好きの方々のおかげで地道に作品を執筆、発表してこられたのだが、今回、思わぬところで(あまりありがたくない形で)脚光を浴びる事になった。 SNSには無縁なため、具体的にはどんな発信がなされ、ネット上でどんなコメントが飛び交っているのか追えなかったのだが、作品に関する誹謗中傷の根っこには、私に