JR北海道の経営問題がクローズアップされている。国や北海道、沿線自治体に支援してもらえなければ、全路線の約半分を廃止せざるを得ないというが、そもそもJR北海道の経営はなぜ、ここまで悪化してしまったのだろうか?(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也) 収支が改善しなければ 全路線の半分が廃止の危機に この35年間で路線網の4割近くを廃止、人件費もピークの半分ほどに切り詰めたが、それでも路線の半分以上が「当社単独では維持することが困難な線区」だという JR北海道の苦境が続いている。2017年度の連結決算は106億円の経常赤字となり、2016年度の103億円に続いて、2期連続で過去最悪を更新する大変厳しい結果となった。 2013年に特急列車からの出火・発煙が相次いで発生、さらに貨物列車の脱線事故について、線路検査データの改ざんや異常箇所が未補修のまま放置されていたことが発覚。従業員の不祥事も相次ぎ、安