第十二話 宇宙的な偶然でヒロ兄の弟に出会う 4 246沿いの坂を上がって道玄坂と合流する所、左の角にあるはずのガソリンスタンドは消滅していた。動物の骨のような石ころが一面に転がっていた。この区画の隣に白いマンションがあり、ここに『モンスーン』の事務所があった。自分が以前、友人と作っていた雑誌で、やはり消滅している。建物はそのまま残っていた。ここを通るのは三年ぶりくらいだった。とくに感傷もなくこのルートを通過した。自分は、二週間から四週間くらい前のことを、追いかけるように書いてエントリーを上げる、というやり方をテストしている。今、思い出しながら書いてみても、あそこから五十メートルほどの所でヒロ兄の弟に出会ったのは、不思議なことだ。この日に書いていたら、興奮した文章になっただろう。ずっと前、はてなダイアリーで、その日にあったことをすぐアップしていた。あのとき、こういうゼロ距離の書き方は、あまり