現在、報道されているニュースの背景では、必ず歴史がつながっています。世の中で何が起きているのかを読み解くには、日本史、世界史だけではなく、地理的要因も絡めた地政学の知識も必要になってきました。さらにビジネスにおいては、経済学や経営戦略などの知識も重要です。こうした歴史の知識や教養を身につけておくと、取引先や上司との雑談といった仕事上のコミュニケーションに役立つことはもちろん、組織や社会がどういう方向に向かっているのかを理解するときに大きなヒントを得ることができると思います。 1970年の大阪万博を企画・開催した作家の堺屋太一さんの著作に 『歴史からの発想――停滞と拘束からいかに脱するか』(2004年3月刊行、日経ビジネス人文庫) という本があります。そのまえがきには、次のような一文があります。 「賢者は歴史に学び、愚者は体験に従う」という。 賢明な人は、広く過去の事象を調べて原因を知り、多