発音ひとつで階級がわかるイギリス英語‘Hello’ この単語をどのように発音するかで、その人の生まれや育ちがわかってしまう。つまり、英語の発音やアクセントと階級が密接に結びついているのが、イギリス英語の最大の特徴のひとつである。 イギリスは、言わずと知れた階級社会で、労働者階級、中産階級、上流階級の3つに大まかに分類される(さらにそれぞれの階級が上中下層に細分化される)。イギリスでは、この階級ごとに、それぞれが話す英語の発音やアクセント、住む場所やスーパー、仕事帰りに立ち寄るパブ、進学する大学や購読する新聞など、すべてが輪切りの構造になっている。なかでもとりわけ「発音」は明らかに違っており、その人がどの階級に属しているか即座にわかってしまうほどだ。 例えばそれは、冒頭に挙げた「Hello」という短い英単語ひとつにも表れる。上流階級は、hの音を高いトーンではっきりとさせながら「ヘロウ」と発音