秋葉原の電子工作文化を支えてきた「同人ハードウェア」。 個人が趣味で製作したハードウェア製品を指すこの言葉は、2010年代初頭に三月兎という店舗から生まれた(※諸説あり)。個人発のユニークな製品を製造・販売するビット・トレード・ワンの阿部行成氏と、同人ハードウェアを扱う「家電のケンちゃん」店長の原田氏は、黎明期から同人ハードウェアの流通を支えてきたキーパーソンだ。 個人制作者と市場を繋ぐ仕組みがどう確立され、どのような課題を乗り越えてきたのか。 一通のプレスリリースから始まった15年 ビット・トレード・ワン 代表取締役 阿部行成氏(左)と、家電のケンちゃん 店長 原田氏 ――お2人の関係について、最初に伺いたいのですが。 原田 最初に会ったのは15年ぐらい前(2010年頃)ですね。そのとき阿部さんがビット・トレード・ワンを創業したばかりの頃で、私は三月兎という雑貨店(※編集部注:かつて秋葉