沖縄・尖閣諸島に近い八重山諸島であっても、尖閣周辺の海域まで漁に出るのに燃料代だけで10万円以上もかかる。それほど遠い漁場なのだが、鹿児島・指宿や沖縄・石垣島、与那国島の海人(漁師)たちは、尖閣を目指す。 「尖閣の海はマグロやハマダイ、カンパチ、ハタなど高級魚が豊富に獲れる魅力的な漁場だ。また、海上保安庁が実効支配強化のために、経済活動としての漁業を奨励している。私たちも協力したいので、できるだけ行きたい」(漁船船長) だが、その「宝の海」に異変が起きているという。 「ここのところ、尖閣周辺の海域に入ると、すぐに中国公船が現われ、漁が妨害されることが続いている。待ち構えていたとしか思えない」(ある漁師) 海域で操業する漁船の大きさはせいぜい5トン程度。それを執拗に追い回す中国海警局の公船「海警」の中には軍用船から転用した5000トンクラスの船もあり、漁船からすれば、その恐怖たるや尋常ではな