ブドウ界で「王様」と呼ばれる巨峰が栽培面積で首位の座を譲り渡した。代わりにトップに躍り出たのは、市場を席巻しているシャインマスカットだ。食べやすさや、栽培のしやすさが背景にあると見られる。 【写真】巨峰を抜いたシャインマスカット 勢いに陰り、急拡大で価格が二極化 巨峰は1940年代に誕生した品種で、大粒で黒系の実で、甘みと果汁の多さが魅力。見栄えもよく、贈答用などで親しまれ、生食用として栽培されるブドウの中では、長年日本一の栽培面積を誇ってきた。 農林水産省によると、統計がある2001年以降、巨峰の栽培面積は03年の6368.9ヘクタールをピークに、最新の22年には2327.4ヘクタールと、大きく落ち込んだ。 シャインマスカットは国立研究開発法人の農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が開発。強い甘さが特徴の白系のブドウで、種がなく皮ごと食べられる。品種登録をした翌年の07年には2ヘク