随分前から、多くの組織が「心理的安全性 」という概念に注目していますが、この概念が前提とするコミュニケーションの在り方は、私たちにとって「安全」なのでしょうか。 心理的安全性(psychological safety)は、ハーバード・ビジネススクール Amy Edmondson 教授が1999年に提唱した概念です。彼女はこれを「チームメンバーが対人関係のリスクを取っても安全だと共有された信念」と定義しています(Edmondson, 1999)。アイデアを共有したり、質問をしたり、ミスを認めたりすることが、罰や恥辱を恐れずにできる状態を指します。 この概念が広く知られるようになったのは、Googleが2012年に実施した「Project Aristotle」です。生産性が高いチームには心理的安全性が最も重要な要因であることを示しました(Google re:Work)。Edmondsonの研究