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原子力小委員会参加記⑱原子力は平和利用が大前提 | 原子力資料情報室(CNIC)   
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原子力小委員会参加記⑱原子力は平和利用が大前提

『原子力資料情報室通信』第621号(2026/3/1)より

1月29日、11回革新炉ワーキンググループが開催された。今回のテーマは前回に引き続き高速炉・高温ガス炉の開発状況だった。はじめに事務局と原子力研究開発機構(JAEA)から前回の質問などへの回答があり、残りは委員からの発言があった。
前回の私の質問に対しては以下の回答があった

①高速炉と称しているが、増殖比で1を超える設計も考慮している。きちんと説明すべき⇒「増殖比に関わらず求められる重要な技術要素は共通」、「高速炉実証炉については、柔軟な燃料の増殖性能を実証できるよう、基本的な増殖比は1.03としつつ、1.1~1.2となる炉心構成も運用し得るポテンシャルが確保できる炉心設計を実現できるよう開発を進めています」
②高速炉の使用済燃料の再処理は、MOXは湿式、金属燃料は乾式といった二本立てなのか⇒「高速炉燃料として酸化物燃料を使用する場合は湿式再処理を、金属燃料を使用する場合には乾式再処理を採用」、「2026年に予定されている燃料選択の際、今後の燃料の研究開発の方向性についても検討する」
③高速炉実証炉開発への民間投資の呼び込みは困難だが、対策はあるのか⇒「基本設計・許認可手続きの段階に応じた民間の参画・連携が得られるよう、国、電気事業者、メーカーと連携して各種論点の検討を進」めていく
④高温ガス炉の水素製造のコストについて感度分析含め教えてほしい⇒現状予見性が無く試算は困難としたうえで、OECD/NEAの報告書を説明
⑤支出総額見込みが審議されないまま投資されることに正当性があるのか⇒「2028年度頃に予定されている基本設計・許認可手続きへの移行判断の際は、費用等についてのその時点での試算を行うことを検討」
⑥原子力利用は平和利用が大前提であり、それを外れて議論することはあってはならないのではないか⇒「原子力は平和利用が大前提」

私は以下の通り発言した
【1】 高速炉開発において増殖・燃料選択は柔軟戦略をとるとのことだが、増殖するかしないかは金属燃料・酸化物燃料の選択や再処理のやり方にもはねてくる。高速炉開発はもう60年もやっている。どこまで柔軟であり続けるのかは決めるべき。

【2】 事業者の協力の絵は描けるが、結局経済性が見通せなければ、事業者はふげんと同様、最終的に投資しない。原発の経済性は、高い建設費を安い燃料で運転するから成り立つが、高速炉燃料は再処理を伴うので必然的に高くつく。経済性がないことは2012年のサイクルコスト検証の時点で明らか。損切するタイミングを設定するべきだ。

【3】 OECD/NEAのレポートはかなり高温ガス炉水素製造コストを安く見積もっている。たとえば、建設費は高騰しない前提で過去の建設事例を踏まえれば信頼がおけない。また、高温ガス炉で製造した水素の運搬にも疑問がある。米ダウの場合、工場に高温ガス炉を立地することになっているが日本のようにコンビナート地帯に人口が多い国で工場隣接型の原発を立地できるとは到底考えられない。水素は高温ガス炉でなくても製造できる。
原子力潜水艦論議などがある中、平和利用について確認することは重要だと感じている。次回の議題は核融合炉についての他の審議会での議論の紹介などが行われる予定だ。

(松久保 肇)

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