外出制限下の自宅待機中のナポリ所属選手に監督が推奨!?
現在、新型コロナウイルスが猛威を奮っているイタリア。この影響は一般市民だけではなく、アスリートたちにも及んでいる。
3月11日にはセリエAでもユベントスのイタリア代表DFダニエレ・ルガーニの感染が発覚。その後、サンプドリアやフィオレンティーナの選手も陽性だと発表され、3月25日の段階で15人が感染している。
そのため、セリエAは現在試合を中断中で、各選手とも自宅での自主トレを推奨されるなどしている。
そんな中、ナポリの指揮官ジェンナーロ・ガットゥーゾが、あるトレーニングを選手に推奨していると話題になっているという。それは、立命館大学の田畑泉教授が考案した“タバタ式トレーニング”だ。(参照:
“Napoli, pochi carboidrati e tanto “metodo Tabata”|La Gazzetta dello Sport)
ナポリのFWでベルギー代表ののドリース・メルテンスなどは、バルコニーでどでかいワインボトルを掲げてシングルレッグスクワットをするなど、イタリアン風味な味付けをしてタバタ式を実践している。
タバタ式トレーニングの名前の由来となった人物であり、
『究極の科学的肉体改造 タバタ式トレーニング』の著者である立命館大学の田畑教授はこう語る。
「タバタ式トレーニングとは、高強度インターバルトレーニング(HIIT)と呼ばれるトレーニングの一種で、短い時間・少ないスペースでも最大限に心肺機能を向上させることができるトレーニングです。もとは、スピードスケートの世界でナショナルチームのヘッドコーチをなさっていた入澤孝一先生(現・高崎健康福祉大教授)採用されていたインターバルトレーニングの中の一つでした。そのインターバル・トレーニングについて、最大限に効果を引き出すことができる秒数の組み合わせが我々の研究の結果、明らかになりました。それがタバタ式トレーニングなのです」
トレーニング自体は「『20秒の高強度な運動+10秒休息』の組み合わせを6~8セット行うというもの。短時間だが、終わるときにはオールアウトするくらい追い込めば、週4日、6週続けると、持久力が約10%、瞬発力が約30%向上し、5000m走のタイムが50秒短縮した被験者もいたというほど効果が如実にあるという。
「アスリート用には、最大酸素摂取量(VO2MAX)の170%という、最後は歩けないくらいの強度できっちり追い込めれば最大の効果を期待できます。しかし、アスリートじゃない方の場合でも、そこまで追い込まなくても普段の健康増進には十分に役立つことがわかってきました。私どもの研究室でも
東日本大震災のときに避難所で生活する子供たちのために『
中学生のための タバタトレーニング (東日本大震災支援プロジェクト)』というものを実施し、現地で指導などをしてきました。(
17分35秒から始まるものが、下肢の筋力を高め持久力を向上させるプログラムがタバタトレーニング)」