米大統領が駐リビア大使攻撃を強く非難、アルカイダ系関与か

ロイター編集
米大統領が駐リビア大使攻撃を強く非難、アルカイダ系関与か
9月12日、オバマ大統領はスティーブンス駐リビア米国大使ら4人が死亡したベンガジの米領事館襲撃事件を強く非難した。写真は炎上した領事館の車両(2012年 ロイター/Esam Al-Fetori)
[ベンガジ(リビア) 12日 ロイター] リビアの東部ベンガジで11日夜、群衆による米領事館襲撃を受けて避難しようとしていたスティーブンス駐リビア米国大使と3人の大使館職員がロケット弾攻撃により死亡した。国際武装組織アルカイダとつながりのある武装集団が攻撃したとみられている。
米国で制作された映画がイスラム教の預言者ムハンマドを侮辱していると抗議する群衆によりベンガジの米領事館が襲撃されたことを受け、大使らは自動車で安全な場所に避難しようとしていたところを、車両ごとロケット弾で攻撃された。
これに先立ち、隣国エジプトの米大使館でも、同じ米映画に抗議する群衆が集まり、米国国旗を引きずり下ろした上、燃やす事件が起きていた。
ベンガジの当局者はロイターに対し「武装集団によるロケット弾攻撃により、米大使と3人の職員が死亡した」と語った。
リビアの治安当局筋によると、アルカイダとつながりのあるイスラム教スンニ派の集団による攻撃とみられている。目撃者によれば、群衆にはその他の武装集団も含まれていたもよう。
今回の事件は、米国とリビアの外交関係やカダフィ政権崩壊後のリビアの治安情勢、さらにはイスラム諸国全体の不安定化などをめぐり、問題を提起する格好となった。
オバマ米大統領は「4人の米国民の命を奪った卑劣な攻撃を強く非難する」と事件を強く非難。また、死亡したスティーブンス大使ら4人について、「彼らは米国の自由、正義、他国との連携に対するコミットメントを体現していた。無情に人命を奪う者と対極に位置する」と述べた上で、各国に駐在する米外交官の安全対策を強化するよう命じた。
*内容と写真を追加して再送します。

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