「礼儀正しく」身代金要求、組織化するアフリカ沖海賊

ロイター編集
[13日 ロイター] 「おめでとう、船の所有者諸君。『パイレーツ・アクション・グループ』は、諸君の船をシージャックした。船と船員を無事に返してほしければ、われわれに従うように」
海賊は野蛮だというイメージもあるが、昨今の海賊は驚くほど組織化されている場合が多く、冒頭のような礼儀正しいとも言える文書を送付することがある。この文書も、実際にソマリアの海賊が原油タンカーの所有者に送り付けたものだ。
国際海事局の調べによると、ソマリアの海賊によるシージャックは、今年1月1日─7月12日までで69件。前年同期比で32%下落しているものの、依然として海賊行為は脅威である。
このため、所有する船がシージャックされた時に備えた、いわば「海賊保険」も販売されている。一航海単位の掛け金は3000─5000ドルで、500万ドルの補償が得られる。
国際海事局によると、ソマリアの海賊は2011年、世界経済に70億ドル(約5500億円)の損害を与え、海賊らは身代金で1億6000万ドルを手に入れたというデータがある。

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