皆様、こんにちは。
下東です。
カクヨムコン11のスケジュールが発表されましたね。
いよいよシーズン到来。最後まで残れないと分かってはいても、やはり小さな期待を込めてドキドキするものです。
今年も楽しんでいきたいと思います。
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さて、そんなカクヨムコン11への参加作品となる『電子の桜 revision.2(仮)』ですが、推敲作業を進めております。
まず、作品の構成ですが、以下のように変更となります。
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推敲前) 31話構成・約123,000文字(一話辺り平均4,000文字)
推敲後) 90話構成・約146,000文字(一話辺り平均1,600文字)
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すでにお話ししております通り、サポーター様向けに限定公開中のエピソードを追加させていただいており、その分ボリュームと物語の厚みがグッと増えております。
また、一話あたりのボリュームがかなり大きい(最大6,000文字超)のが現行版の反省点のひとつなので、エピソードを細分化しました。
公開方法ですが、現在2通り検討しており、どちらにするかまだ決めておりません。
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検討1.:毎日一話ずつ公開
⇒ この場合は 10月29日(水) から連載開始
⇒ 公開開始のタイミングには早すぎるかも……
検討2.:毎日二話ずつ公開 + 最終章のみ一日一話ずつ公開
⇒ この場合は 12月1日(月) のカクヨムコン開始のタイミングで連載開始
⇒ こんな変則的な公開はアリなのか……?
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どちらにするか、悩ましいところです……
タイトルについても『電子の桜』は残すつもりですが、サブタイトルについては検討中です。タイトルで惹きつけるようにしたいところです。
なお、現在公開中の『電子の桜』については、近日中に非公開にいたします。
全然読まれていないので、問題ないでしょう(笑
上記の通り、『電子の桜』は全然読まれていない作品なのですが、『コンプレックス』同様個人的にとても好きな作品です。「異世界&チートでオレTSUEEEE!」だとか「無自覚の無敵&無双&ハーレムでモテモテ」だとか「NTR&ざまぁ」だとかといった流行りの要素は無いですし、ジャンルはSFになりますが、いわゆる「SF」ではありません。
目指したのは『誰が読んでも想像し得る未来を描いた青春&現代ドラマ風味のパニックSF』です。
相当に苦戦するでしょうし、中間選考を通過できない可能性は大ですが、カクヨムさんの胸をお借りして挑戦してみたいと思います。
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そんな『電子の桜 revision.2(仮)』のAIによる推敲ですが、無事完了いたしました。
当初、一度に扱えるテキスト量の多さに惹かれ「Gemini」を利用する予定でしたが、結局「ChatGPT」を契約して利用いたしました。
推敲作業は、エピソードごとに以下の二段階で行いました。
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1. 誤字脱字チェック + 助詞(てにをは)チェック + 句読点調整
2. 冗長表現の整理 + 文章のバランスやテンポの改善 + 表現のブラッシュアップ
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元の文章の全体感や雰囲気を壊さないように指示しましたので、あくまでも「小説の編集者」として推敲している感じです。
実際に AI で推敲してみて感じたこと・対応したことは以下の通りです。
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1) 専用の GPT(エージェント)を作成した
いちいち細かく指示するのが面倒だったので、推敲作業用のGPT(エージェント)を作成して利用しました。作成にあたっては、色々と詰めが甘い部分がありましたが、作業自体は楽になりましたし、何事も経験ですね。
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2) 推敲用の原稿データを作成した
AI に推敲してもらうための原稿データをテキストファイルで用意して、それを読み込ませて推敲させました。90話分のテキストファイル、作成するのは正直ダルかったです……
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3) 作品設定ファイルが役に立たなかった
作品全体の設定を記したテキストデータを用意して、推敲の際の参考にしてもらおうと考えていたのですが、そのテキストデータの量が多すぎたのか、ChatGPTの回答が途中で消失するという事象が発生しました。
作品設定ファイルのアイデア自体は有効なことのようなので、試したい方は必要最低限のテキスト量にしておきましょう。
なお、私は結局作品設定ファイルなしで進めました。
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4) 推敲依頼時に余計なことを書かない
例えば、「これが第1章の最終話になります」などと書き添えて推敲させると、AI は「よーし、最終話っぽく仕上げてやるぜ!」と考えてしまい、元の原稿を無視して勝手に物語を作り上げてしまいます。AI に指示を出すときは、要注意です。
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5) 1スレッドで推敲できるテキスト量が思いの外少ない
途中までは、物語にそって順調に推敲できるのですが、途中から物語を無視して文章を作り上げてしまいます。感覚的には ChatGPT の場合、1スレッドあたりトータルで1万文字分くらいの推敲が限界でした。
ですので、限界を迎える前に別のスレッドを立ち上げるようにしていました。
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6) 推敲後の対応がスレッドによって異なった
これは GPT(エージェント)の設計ミスです。
細かいところまでプロンプトに組み込んでおくべきでした。
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7) AI は完璧ではない(作家様によっては不要・邪魔)
これが一番重要なポイントですが、AIの推敲は完璧ではありません。最後に必ず作家側の推敲が必要になります。はっきり言ってしまえば「誤字脱字チェック」以外は、あまり信用できません。特に「冗長表現の整理 + 文章のバランスやテンポの改善 + 表現のブラッシュアップ」については、参考にはなっても、そのままでは利用できないケースが多いです。腕のある作家様や、独特の表現を売りにされている作家様などであれば、この推敲作業は必要ないですね。
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以上となります。
AI を推敲に利用すると、作品の出来が物凄く良くなる!……という感じではないです。使い方・指示の仕方次第だとは思いますが、あくまでもサポートにしかなりません。逆に、サポートの枠を飛び越えられると、もはやそれは自分の作品では無くなってしまうように思います。手間もコストもかかりますので、本当にそれだけの価値と結果が得られるのか、よく検討した上でご利用いただければと思います。
正直、私はちょっと微妙な気持ちです。誤字脱字チェックとかには、今後も利用したいと考えておりますが、月に約3,000円……やはり考えてしまいますね。。
AI の利用については、様々なご意見があるとは思いますが、何事も自分の中で「作家」としてのラインを引くことや、コンテストなどでは決められたルールに従うことが重要かなと思います。
最後に ChatGPT の言葉で締めたいと思います。
皆様は、どう捉えますでしょうか。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ChatGPT は完璧ではなく、あくまで「伴走者」であって、「作家の声」を超えることはできません。でも、その伴走者としては十分頼もしい存在になれます。AI に期待しすぎず、それでも創作の力に変えていく――まさに「作家の姿勢」だと思います。
2025年9月29日
下東