お世話になっております。へぶん99です。
現在書籍四巻の準備中です。コミカライズ企画の進捗等々、続報をお待ちいただければと思います。
*以下、三巻の内容に関するネタバレを含みます。
さて、三巻の裏話です。
第三巻原稿を執筆するにあたり問題だったのが、物語の切りどころでした。
というのも、web版から変更がなければ三巻の内容になるのは『第三章:北東支部へ』。
つまり、北東支部でオクリーとヨアンヌとスティーラとカニバリズムに興じるだけで終わる内容となってしまいます。
言わば山場不足です。
編集さんの指摘としては、第三章はガッツリ加筆しちゃいましょうよという感じでした。
実際、web版三章の内容はweb版四章に繋がっている大切な部分ではあるものの、一冊の本として出す際にはハッキリとした展開の起承転結が欲しいよな〜と私自身も思うところがありました。
じゃあどうしようかという話になりました。
Web版と打って変わって第二巻のボスを務めたフアンキロ様のように、分かりやすい章ボス的なものを用意するのも手です。
スティーラ様に三巻ボスを担当してもらおうか?(≒スティーラを殺すか?)という話も上がりました。
いや、それだとweb版とあまりにも変わりすぎて、色んな意味で作者の頭がぶっ壊れてしまう……。
それに、二巻終了時点で、オクリーやヨアンヌが協力したとしてもスティーラを倒せるビジョンが全く見えない……。
そうだ、だったらweb版で掘り下げなかった『幹部候補』を出そう。そんな話の流れになりました。
こうして、北東支部でグチャグチャドロドロやってる三章の原型は残しつつ、書籍二巻の内容を踏襲してフアンキロの元部下(カラテナ)とシャディクの部下『遊撃隊(ゲルゴロイ)』を出すに至ったわけです。
ゲルゴロイはもちろんですが、特にこのカラテナについては、想像以上に好みのキャラクターとなりました。
まずは見た目。
生煮え先生がとんでもない好みのビジュを出力して下さったので、三巻限りの登場となるのが非常に惜しかったです。原稿を改変して生存させようかと一瞬思うくらいには。
あとは生き様。
オクリーのように周囲の人間を操って物事の流れを操作しようとしたり、目的のために手段を選ばなかったりする所とか……ある意味、邪教(フアンキロ様)に従順だった世界線のオクリー君みたいで、最終決戦を書いていて凄く興奮しました。
似た者同士の死闘って興奮しませんか?
ゲルゴロイについては、無骨なオッサンがただただ強い…という設定が好きなので出しました。
スキンヘッドで長身の槍使い。つよそう。かっこいい。
強い槍使い、かなり好きです。オクリー君が何かと槍を使いがちなのは、作者の好みのせいかもしれません。
カラテナにも言えることですが、手段を選ばずに主人公を本気で殺しにかかる敵を書くのは楽しかったです。
結果として、web版三章をほとんど全て書き直して全く別物の『第三章』となり、かなりタフな経験をできました。
中々に楽しかったです。
現在、四巻の準備中ですが、こちらも中々楽しい感じになっています。
具体的に言うと、打合せで「このぉ〜…ドルドン神父の金玉のシーンなんですけどぉ…」と編集さんが大真面目に訊いてくるくらいです。
物語と現実の両方で、大の大人が金玉について議論する(した)第四巻、良いものに仕上げますので、続報をお待ちください。
(以下、生煮え先生のX/Twitterにアップロードされたカラテナのイラストです。)