錦戸琴音さまより、素敵な素敵なファンアートを頂戴してしまいましたのでご紹介させてください。
なんと、頂きましたのは『歌姫』のフェリキアさんです。
決して楽しいお話ではなく、ぼくの書いたものの中では比較的読みづらい部類になる作品だと思うのですが、そんな作品にも光を当てて頂いたことにまず驚きとともに感謝感激を申し上げます。
加えて何よりの驚きは。
頂いたイラストと、ぼくの中に思い描いていたルパナーレの中庭、奏でられるリラ、そして歌姫、そのイメージの悉くが一致しているのです。
これ、実はすごいことだと思っております。
前回の近況ノートで「人間がAIに指示をして画像を生成させるという行為は、作家が文章のみでもって読者の脳内に像を結ばせることに似ている」みたいなことを書いたのですが、当然のことながら、元になる作品の描写に不足があったり曖昧さがあると、読者の脳内にはそれぞれ異なる景色や人物が浮かぶことになるわけです。
誤解があるといけないので先に断っておきますと、常に写実的であることがエライと言っているわけではないのです。極端な話、字数を費やせば写実的な文章にはなります。それが面白いかは別として。
作品によっては、説明よりも勢いや曖昧さに価値があることもあるでしょう。
とはいえ。作者の思い描く同じ絵を読者へ、できるだけ少ない言葉で伝えるというのはこれ小説書きにとってはひとつの夢だと思うのです。
特ににぼくのような情景描写が得意ではない人間にとって、常に執筆活動は自分の中の景色を正確に文章に落とし込めているのかという自問と共にあるわけです。
しかしその問いは通常、答えが返ってこないものだと思いますが、例外的にファンアートというものはその答え合わせができてしまうのです。
わーーーー。
すみません、つまらないことをツラツラと……。
自分の中では大発見だったものですから……。
数日前、ちょっとしたおふざけで「セルフ・ファンアート」としてイクラ丼のAI生成画像を載せたことを切っ掛けとして本物のファンアートを頂いたり、自らファンアートを作ってみたりと、なんだか「えらいこっちゃ」な状況が続いておりますが、同時にこの変化を楽しんでもおります。
こんな嬉しい気づきを与えて頂けました錦戸琴音さま、大変ありがとうございました。
あまりお返しできるものもありませんが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
錦戸琴音様のページ
https://kakuyomu.jp/users/windbell383短編、短歌を中心に多数の作品を執筆されております。
夏空に 入道雲の 立つを見る
入りし木陰に 蝉の音高く
どうです?匂いたつような、素晴らしい夏の歌でしょう。
以前ぼくが惨敗した、カクヨム短歌塾「客観的に描写してみよう」の錦戸様による投稿作です。
「こういうことかー!」と天を仰ぎました……。
最後にあらためて。ありがとうございました!