概要
人造の肉と、人造の猫と、本物の猫の話
昔書いた短編です。
置き場がないので置いておきます
置き場がないので置いておきます
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!フォルカスは何の夢を見るか
培養肉から始まり、倫理とはという問いから、果ては生命とは親しみとは――という遠大なテーマを、ここまで身近に、かつ答えを断定せずに描ききったことが読んでいて、すごく心地よかったし、面白かった。そして切なかった。
主人公とパートナーの関係がすっかり冷え込む程、親しみや生死の哲学は重い。だからといって主人公も明確な答えを持ち合わせているわけでもない。
本物の肉汁したたる肉を食んでも、魂の正体はやはり分からない。
ある種の心理学や仏教では、愛や生、死等の抽象的かつ観念的概念は、論理で組み立てるのではなく、人間の身体感覚でもって感じることでしかその所在や意味を掴むことは難しいという。つまり…続きを読む - ★★★ Excellent!!!生き物と倫理について、考えてみませんか
この作品は、たとえば今と全く違った世代の
祖父や祖母の話を聞いているような感覚がします。
少し寂しげに、自分が若かった頃とは
大きく変わった世界のことを語っているような、そんな雰囲気。
たとえば、昔ゲームは悪でした。アホになる、なんて言われてたりして。
たとえば、昔オタク文化は悪でした。犯罪者予備軍だ、なんて言われたりして。
倫理なんてそんなもので、正義なんてどこにもない。
かつては正しいとされたものが今では悪くて、
我々には歪んでいるように見えても、それが彼らの倫理だったりして。
ただあの日、フォルカスはたしかに死んでいました。
それだけが確かなことであったように思いました。…続きを読む